ホリスティック栄養学とストレスケア

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「5月病」で倦怠感?ストレスからの栄養素不足かも

疲労感の原因を正しく知って対処しよう

疲労感の原因を正しく知って対処しよう

 毎日、眠くてしかたない、グッスリと眠れた気がしない、やる気がでない、人と話をすることすら億劫...。

季節の変わり目になると、こんなぼやきが、あちこちから聞こえてきます。とくに、ゴールデンウィーク明けには、この傾向が強くなります。よく、「5月病」なんて、いわれますよね。

季節の変わり目は気温や日照時間の変化に、身体がついていかなくなるために、こうした症状がでやすくなります。「春眠暁を覚えず」は生理現象なので、徐々に改善されてくるでしょう。

ゴールデンウィーク明けに倦怠感がでて「5月病」になるのは、季節的要因に加え、4月に新しい学校への入学、新しい会社への入社、転勤、昇進、引っ越しなどの環境の変化により、身体の負荷(ストレス)が大きくなり、ストレス反応として表面化しやすいからといえます。

ましてや、長引くコロナ禍で、知らず知らず身体にストレスが溜まっているところに、さらにプラスでこうした環境の変化によるストレスが加わることで、より強い倦怠感、健康レベルの低下がみられても不思議ではありません。

 「疲れているだけ」ではない!倦怠感は侮れない

「だるい」「かったるい」「重たい」などといった言葉で表現される倦怠感。その原因は、睡眠不足、肉体疲労、更年期障害、貧血、感染症などさまざまですが、ほとんどの場合、ストレスが関わっています。

風邪や急性肝炎などウイルス性の感染症にかかると、通常、発熱とともに倦怠感をおぼえます。風邪の場合はからだを温め、水分とビタミンCをしっかり補給して寝ていれば、多くの場合はは薬を飲まなくても1週間程度で治りますが、急性肺炎など、命にかかわることもあるので要注意。

感染症(これも身体にとってはストレス)でなくとも、腹痛、吐き気、下痢などをともない、起きていられないほどのだるさを感じたときは、検査を受けたほうが安心ですね。

慢性疲労症候群(CFS)や、長引くストレスからの副腎疲労症候群も、疲労感、倦怠感が症状となってあらわれます。

「疲れがたまっているだけ」「ちょっとストレスがたまっている」などと侮っていたら、深刻な状況になりかねません。症状が重くなると、歩行もままならなくなり、ベッドから出ることさえできなくなり、思考力も低下して、生活に支障をきたすようになります。

急に倦怠感がでてきた、栄養素や休息をちゃんととっているのに倦怠感がつづく、筋肉痛や頭痛がつづく、思考力や集中力が落ちたなどの症状があるときは、ストレスケアをしっかりしつつ、医師に相談するのが安心ですね。

 鉄欠乏性貧血で倦怠感 解消には鉄+タンパク質+ビタミンCを!!

女性の10人に1人のトラブルともといわれる鉄欠乏性貧血。これは、子宮筋腫などで月経時の出血量が多くておこるケースがほとんどといわれています。

呼吸で体内にとりいれた酸素は、血液中の鉄分と結びついて細胞に運ばれます。

鉄分は、多すぎると活性酸素を大量に発生させてしまい、細胞の老化をうながすといわれていますが、不足すると顔色は青白く、息切れ、動悸、眠気、疲労感などを感じるようになります。正常値は血液0.1リットル中、男性13グラム、女性12グラム以上です。

鉄分は徐々に減っていくので、からだが貧血状態になれてしまい、症状がでているにもかかわらず、本人が貧血だと自覚していないことがよくあります。

しかし、貧血になると、細胞はいつも酸欠状態。細胞の老化がうながされ、疲れやすくなるばかりか、外見にもマイナス影響があらわれます。たとえば、顔に血の気がなくなる、肌がカサカサしてくる、抜け毛が多くなる、爪の表面が反り返るスプーン爪になるなど…。

解決方法は、子宮筋腫など、貧血の原因となっている病気があれば、治療を受けることを最優先に。食事の面では、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をしっかり確保することを考えて食べましょう。

さらに、カキ、アサリ、鮭、マグロ、豆腐、ひじき、ホウレン草など鉄分を多く含む食べ物を毎日の食生活にプラスします。

「貧血にはレバー」とよくいわれますが、「レバー(肝臓)」は解毒器官。解毒されぬままの有害物質が残留している可能性大なので、おすすめできません。

貧血とは、赤血球のなかにあるヘモグロビンの量が不足している状態のことをいいます。たりないものを増やすには、それをつくる材料を調達しなければなりません。

ヘモグロビンの材料はグロビンというタンパク質とヘム鉄。つまり、貧血の改善には、鉄分だけに目をむけても不十分。良質タンパク質も一緒にしっかり確保することを考えなければなりません。

また、鉄分の吸収率は、ビタミンCをいっしょにとるとアップ。大根おろしやレモンなどビタミンC豊富な野菜や果物を、料理のなかで使うとよいでしょう。

なお、「鉄欠乏性貧血」との診断を受けない限り、鉄の含まれるサプリメントの使用は避けたほうが無難です(特に男性や閉経後の女性は)。

 倦怠感の原因は栄養素不足?

さまざまな要因により倦怠感は発生してきますが、その根底には栄養素の問題がからんでいることケースがほとんどです。前のセクションで見た通り、タンパク質や鉄の不足もそうですが、それ以外の栄養素不足も倦怠感を引きおこします。

とくに長くつづくコロナ禍では、誰もが多かれ少なかれストレスを抱えています。ストレスは体内の多くの栄養素を消費していくため、それらの栄養素不足から、さまざまなストレス反応(倦怠感、睡眠障害、頭痛、胃腸のトラブル、気分的な落ち込み他)を引きおこしやすくなります。

ストレス時に失われやすく、倦怠感にも直結する栄養素をいくつか見ておきましょう。

 ビタミンC

ある調査では、ビタミンCを少ししかとっていない人は、多くとっている人に比べ、疲労に関連した症状が平均して2倍も多かったといいます。ビタミンC不足が原因の疲労もかなり多いことが推測できます。

みなさんもご存知のとおり、ビタミンCは、体内の活性酸素を除去する抗酸化栄養素。さらに、体内のほとんどの代謝に関係しているともいわれますから、その不足が疲れや倦怠感をひきおこすとしても不思議ではありません。

厚生労働省の推奨する1日のビタミンCの所要量は、100ミリグラム。しかしながら、多くの代謝に関わり、また、消耗されやすいビタミンでもあるため、オプティマルヘルスのためには、1日1~2グラム(1,000~2,000ミリグラム)の摂取がすすめられています。

日本人のビタミンCの主な供給源は野菜とくだものですが、これだけの量となると、野菜やくだものを食べるだけでは、到底追いつきません。しかも最近の野菜やくだものにふくまれるビタミンCは20年前に比べ著しく減少しているともいわれます。良質のサプリメントで賢く補うようにできれば安心です。

ただ、ビタミンCは一度に多量に摂取しても、すべてが吸収されません。吸収されなかった分は、尿として排泄されてしまいます。ですから、毎日、複数回にわけて補給するのがベストです。

なお、ホリスティック栄養学では、倦怠感など、体調不良を感じたときに一時的に多量のビタミンCを摂取して治癒を早める方法として、ビタミンCフラッシュをすすめます。

  ビタミンB群

「疲労を感じるときには、ビタミンB群が不足している」ということも、よくいわれます。

ビタミンB群には、ビタミンB1,ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンと8種類の水溶性ビタミンが1つのグループとして存在しています。エネルギーづくりには、これらのビタミンB群がチームとして、協力し合って働きます。従って、B群の仲間の1つだけ、何か単体で摂取するのではなく、すべてのB群を一緒にとることが、必要になってきます。

もちろん、特定のビタミンB群不足が疑われる場合には、単体での摂取が必要になる場合もあります。ただその場合も、全体的なB群を確保した上で、単体のビタミンの必要量を満たすように考えます。

また、カフェインを多量かつ日常的にとる人や、胃薬(水酸化アルミニウム)を長期間のんでいる人も、倦怠感がでやすくなります。

カフェインやアルコール、各種薬剤は、体内での解毒プロセスにおいて、多くの栄養素を消耗します。そのため、こうした栄養素が食事からキチンと確保できていないと、代謝に必要な栄養素の不足状態を引き起こし、さまざまな症状に悩まされることになります。

前述のとおり、ストレス時には、体内の多くの栄養素が消費されていきます。それらを確保したいと思っても、ストレス時の交感神経の作用で消化力が低下。このため、体内への吸収にも支障がでてきます。当然、体内の代謝に必要な栄養素が不足することになり、疲労感や倦怠感にもつながります。

栄養価の高い食事&消化に負担をかけない食べ方の工夫はもちろんですが、消化酵素サプリを賢く使い、自分の身体に必要な栄養素をしっかり確保することを考える必要があります。

そして、休息を十分にとることが重要。良質の睡眠はもちろん、暮らしのなかにリラックスタイムをつくるほか、ご自分にあったリラクセーション法を実践していきましょう。

なお、疲れや倦怠感などの症状は、エネルギー不足⇒ミトコンドリアの機能低下が関わっているケースがほとんどといえます。下記の記事もチェックしてください。

jhna-stresscare.info

 まとめ

  • 倦怠感の根底にはストレスが関わっているが、感染症や慢性疲労症候群などの病気が原因となっていることもある。

  • 女性特有の鉄欠乏性貧血による倦怠感は、バランスの良い食事と、鉄+タンパク質+ビタミンCを。

  • ビタミンCやB群などの基礎栄養素はサプリメントの活用がおすすめ。

  • 健康的な食事+十分な休息、リラクセーションを生活にとり入れよう!

あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。

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