日本列島、いつ頃からこんなに甘いものが蔓延するようになってしまったのでしょうか?
テレビや雑誌をみていても、町を歩いていても、目につくのは、スイーツばかり。目新しいスイーツの上陸となれば、数時間待ちの長い列が、そのショップをとり囲みます。
甘~い誘惑に勝つのは、そう簡単ではないでしょう。でも、欲するままこれらを口に運んでいると、エイジング(老化)の大敵ですよ!
心が癒される甘いもの
おいしいスイーツを食べているときは、みんな笑顔になります。口に入れたとたんに、舌の上でとろけるような甘さは、それこそ脳のすみずみまで染みわたり、最高にハッピーな気分にしてくれるのでしょう。
スイーツに限らず、精神的に落ちこんだとき、あるいは不安、心配事、寂しさなどを紛らわせたいときは、きまって甘いものを中心とした高糖質食品が欲しくなりますよね。
これは、マイナス感情が優勢になると、脳内のセロトニンレベルが低下し、脳は「何か食べろ!」と命令をだすから。
チョコレートを一つ食べるだけで、とても幸せな気分になる。そんな経験あるでしょう?
セロトニンレベルを急上昇させ、脳の要求を満たすには、ブドウ糖が不可欠なので、ほとんどの人は、”無意識”に甘いものを選びます。すると、心が落ちつき、癒されるのです。
とはいっても、甘いものを食べ、最高にハッピーな気分に浸っていられるのは、ごく短時間。すぐにまた食べたくなります。
甘いものをドカ食いしては自己嫌悪に陥り、それを忘れるためにまた甘いものを食べる。そんな女性は多いのですが、そんな食行動の結果、あなたのボディには、どんどん体脂肪の蓄積が…。
糖化(=老化)とビタミンB群不足の弊害
甘いもの(ご飯、パン類、麺類などの高糖質食品も含む)が問題なのは、これらが脂肪蓄積に直結し、あなたを太らせるからだけではありません。
さらに大きな問題は、糖分を必要以上にとりつづけることで、精神的なトラブル他、あなたの体を確実に老化させていくことにあります。
まず、菓子類、ケーキ類などの「空のカロリー食品」にはエネルギー代謝に必要なビタミンB群がまったく含まれていません。そのため、菓子類などを食べると、体は別の代謝に必要なB群を奪いとってエネルギーづくりをしようとします。
奪えなければエネルギーに転換されずそのまま脂肪として蓄えられます。もし、奪ってエネルギーづくりに成功したら、奪われた側の代謝に支障がでることになります。
こうした状況下、B群はみるみる消耗されていき、イライラ、頭痛、不眠、疲労感、脱力感、落ちこみなどの症状も…!
さらに最近では、糖化の影響が明らかになってきています。主に食べ物から摂取した「糖」が体のタンパク質と反応してつくられるAGEsが蓄積することで、さまざまな老化現象が進みます。
お肌のシワやタルミにとどまらず、血管がもろくなり、冷えやむくみ、だるさ、動脈硬化や心疾患、脳の萎縮や大腸がんのリスクまで高まるというのです。
まさかこんなものにまで砂糖が!
スイーツ大好きなあなたも、高糖質食品や砂糖はとらないように気をつけているあなたでも、知らず知らずのうちに想像以上に砂糖を体内に入れている可能性大。
たとえば、トマトケチャップにはアイスクリーム以上の糖分が含まれていますし、朝食にシリアルを食べれば、その50%は砂糖!
のむヨーグルトや乳酸菌飲料(240gあたり)にはスティックシュガー9本~15本分近くの砂糖が含まれているのです!
さらにいえば、砂糖がたっぷり使われていても、「砂糖不使用」とか「一切使用しておりません」と表示して、販売されているものも多々あります。
たとえば、砂糖たっぷりのジャムを仕入れ、それを使ってパンをつくるときに砂糖をつかわなければ、「無添加」とか「砂糖不使用」と表示ができます。「無添加」や「不使用」というのは食品の加工段階で砂糖を使っていないだけで、その食品に「含まれない」ということではないのです。
つまり、普段の食事で知らないうちに糖をたっぷりとって、老化を早めてしまっているかもしれないのです。
人工甘味料にも落とし穴
「カロリーゼロ」とか「低カロリー」をうたっている食品や飲料水などには、ほぼ例外なくアスパラテームなどの合成甘味料が使われています。これらなら安心と思っていませんか。
米国のPurdue大学のアスパルテームなどノンカロリーの人工甘味料についての研究によると、人工甘味料の日常摂取に脳が慣れると、脳は甘さとカロリーの関係を正しく把握できなくなるとのこと。
甘いものが口のなかに入ってくると、脳と腸は入ってくるカロリーを消化するための準備をしますが、その甘いものが人工甘味料だと、脳と腸は肩透かしを食らわされます。
甘いものが感知されたはずなのに満腹感と満足感を増加させるホルモンが増加しない、糖が放出するドーパミンに由来する報酬の感覚を脳が受けとれないという現象が生じます。
人工甘味料の日常摂取では、脳と腸がこのような肩すかしを何度も食らわされ、そのうち肩すかしに慣れて、口内で甘いものを感知しても反応しなくなります。
その結果、カロリーを伴う本物の糖分が口内に入ってきても、満腹感も満足感も感じない体になってしまうので、ついつい食べ過ぎて、本物のカロリーをとり過ぎてしまうのです。
糖質カットと同時に糖化ケアを
甘いものや高糖質食品がやめられないというあなたは、タンパク質やビタミンB群が不足しているのかもしれません。
これらの栄養素が不足していると、脳内のセロトニンづくりやエネルギーづくりがうまくいかず、高糖質の食品を体が要求しつづけるようになるからです。
良質のタンパク質やビタミンB群をしっかり補って体内の栄養条件を整えるとともに、甘いものの摂取を控えながら、隠れ糖質の摂取にも気をつけて、「糖化ケア」で老化対策をしていきましょう。
まとめ
- 菓子類などの空のカロリー食品はビタミンB群を消耗させ、精神的トラブルや脂肪蓄積、肥満のもとに。
- 主に食べ物から摂取した「糖」が体のタンパク質と反応してつくられるAGEsが蓄積する糖化現象による老化に注意。
- 身近な食品に意外と大量の砂糖が含有されていたり、砂糖不使用、無添加などの記載のある食品に砂糖が入っていることもある。
- 良質なたんぱく質やビタミンB群を補って糖化をケアして老化対策を。
あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。