ホリスティック栄養学とストレスケア

ストレス栄養学ベースの健康管理＆セルフケア情報満載！

トップ > 健康管理 > αリポ酸の効果は？ダイエットや美肌、疲労回復、抗酸化作用は本当にあるの？　

αリポ酸の効果は？ダイエットや美肌、疲労回復、抗酸化作用は本当にあるの？　

健康管理 健康管理-栄養摂取 健康管理-栄養摂取-サプリメント 健康管理-エイジングケア 健康管理-エイジングケア-抗酸化

αリポ酸　サプリ　効果

昨今、ダイエット、美容効果、アンチエイジング、ボケ防止、疲労回復などのさまざまな効果をうたって、αリポ酸がサプリメントとして販売されています。かくいう私も「中年太りが簡単に解消！」というキャッチフレーズを目にしたときには、思わず購入しようかと考えたほどです。

中高年といわれる年になり、お腹や二の腕の贅肉が気になり、食べる物に気をつけているつもりなのに体重は増える一方...。そんな悩みを抱える人にとっては、飲むだけで簡単に悩みが解消されるとあれば、つい手を出したくなってしまうのも無理はありません。

でも本当に効果はあるのでしょうか？　今回は悩める中高年にとって、救世主のようなαリポ酸について、その働きや効果を詳しく見ていきましょう。

αリポ酸とは？

これほどいろいろな効果があるといわれているαリポ酸とは、いったい何なのでしょうか？

αリポ酸は1930年代に発見され、1951年にはじめて牛の肝臓からその成分をとり出すことに成功したといわれています。1　αリポ酸は別名でチオクト酸とよばれており、私たちの身体を構成する37.2兆個の細胞ひとつひとつに存在し2、細胞内にあるミトコンドリアで合成されています。

しかし体内でつくられるαリポ酸は少量であり、日々の必要量を補うためには食事を通して外部から摂る必要があります。

αリポ酸は赤身の肉、レバー、ブロッコリー、ほうれん草、トマト、芽キャベツ、ジャガイモなどに多く含まれています。3　これらは日々スーパーなどでも良く見かける食材なので、私たちは特別に意識していませんが、αリポ酸を食品からとり入れています。

αリポ酸の働き

私たちの身体を構成している細胞すべてにあるαリポ酸、きっと私たちが生きていくうえで必要な栄養素に違いありません。ではαリポ酸は、細胞でどんな役目をはたしているのでしょうか？　

αリポ酸には主に三つの働きがあります。

αリポ酸は、エネルギー産生に関与

αリポ酸の第一の作用ーエネルギーの生成に関与

αリポ酸には体内でエネルギーをつくり出す際に、大きな役割を果たしています。私たちは一日に約2,000～2,500キロカロリーを必要としており4、エネルギーは心臓を動かしたり、呼吸をしたりという、生命活動を維持するために欠かせないものです。

では、体内でエネルギーをつくり出すために、αリポ酸はどのように関わっているのでしょうか？

この生命維持に欠かせないエネルギーのつくり出している工場といえるのが、ミトコンドリアです。ミトコンドリアは体外からとり入れた酸素と、消化を経て吸収された栄養素を、何度もの化学反応を繰り返しながらエネルギー（ATP：アデノシン3リン酸）をつくっています。この体内で行われる化学反応のことを、総称して代謝といいます。

◆αリポ酸はエネルギー産生の大切な補因子
ミトコンドリアで大量のエネルギーをつくる前段階として、まずは細胞内でグルコース（糖）は解糖系と呼ばれる代謝によってピルビン酸に変わり、このピルビン酸からアセチルCoAがつくられます。

この一連の化学反応の際に、若干のエネルギーが産生されますが、さらに多くのエネルギーを産出するために、ここで作られたアセチルCoAは細胞内にあるミトコンドリアに移動します。そしてこの解糖系でαリポ酸は、ピルビン酸からアセチルCoAへの化学反応を起こす際に必要な酵素をサポートする補因子として働きます。5

アセチルCoAはミトコンドリアに入り、エネルギーをつくり出す一連のながれであるクエン酸回路によってATPが産生されます。このクエン酸回路を回転させるためにはいくつもの酵素や補因子が必要ですが、ここでもαリポ酸は補因子として働きます。6　

ですから、αリポ酸は解糖系とクエン酸回路の両方で、エネルギー産生のサポートしていることになります。

また脂肪の代謝においても、アセチルCoAが必要となるため、αリポ酸は脂肪代謝も間接的にサポートしていることになります。7

αリポ酸は、強力な抗酸化物質として活性酸素を除去

αリポ酸が近年注目を集めている理由のひとつに、αリポ酸とその還元型であるジヒドロリポ酸（DHLA）が強力な抗酸化物質として働くことがあげられます。

体内にとり込まれた酸素はエネルギーの産生に欠かせませんが、ミトコンドリア内での代謝により、活性酸素に変化します。本来、活性酸素は体内に入り込んだウイルスや細菌を退治するときなどに使われ、私たちの身体にとって必要なものですし、身体の中には活性酸素に対する防御機能として抗酸化物質が備わっています。

しかし紫外線、喫煙、体内の炎症、細菌やウイルスの感染などいろいろな理由で活性酸素が増えすぎると、抗酸化物質とのバランスが崩れてしまい、体は酸化ストレスの状態に陥ります。　

酸化ストレスは、ミトコンドリアの機能低下、細胞膜の破壊、タンパク質の構造変化、さらには遺伝子（ＤＮＡ）の破壊を引き起こします。これらの酸化ストレスによる影響が、生活習慣病や老化の原因になっているといわれています。

◆αリポ酸の抗酸化物質としての独特なチカラ
抗酸化物質には体に常備されているもの、そして外の部から補えるものとありますが、その中でもαリポ酸が抗酸化物質として注目を集めているのには、特に二つの理由があります。

まず一つは、αリポ酸が脂溶性と水溶性両方の性質を持ち、細胞膜を容易に通過することができるという点です。この性質上、体の隅々で活躍することができ、その抗酸化能力はビタミンC（水溶性）やビタミンE（脂溶性）を大きく上回るといわれています。8

もう一つの理由は、αリポ酸がビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、コエンザイムQ10などが活性酸素に反応して抗酸化能力を失ってしまったときに、もう一度抗酸化力のある物質に戻してくれるという働きをもっていることです。これにより、抗酸化物質がリサイクルされ、それぞれの抗酸化物質が長くその役目を果たすことができるようになります。9

キレーションにより有害金属を排出してくれるαリポ酸

キレーションにより有害物質を排出

αリポ酸の三つ目の働きは、キレーションです。キレートはギリシャ語で、「カニのはさみ」という意味がありますが、αリポ酸とその還元型のジヒドロリポ酸（DHLA）は有害金属をカニのはさみで挟み込むようにして、体外へ排泄します。10　 αリポ酸は特に鉛、亜鉛、銅と結合しやすく、DHLAは鉄、亜鉛、水銀と銅と結合しやすいといわれています。11

「なぜ有害金属が体内にあるの？」と思われるかもしれませが、有害金属は大気汚染や毎日の食事などから、少しずつ体内に入りこみます。そして体内に蓄積された有害金属は酸化ストレスを引き起こし、これが糖尿病や高血圧などの慢性疾患の原因になっているともいわれています。12 

またαリポ酸には、体内で解毒が行われる際に重要な働きをする抗酸化物質「グルタチオン」を増やす作用もあります12

α-リポ酸のサプリって本当に効くの？

日本では2004年3月の「医薬品の範囲に関する基準の一部改正」により、αリポ酸を健康食品として販売できるようになったことにより、テレビ番組などで大きくとりあげ注目を集めはじめました。しかし海外では、医療の治療薬効果の研究が早くから行われていました。

その結果、近年ではαリポ酸が糖尿病、統合失調症、多発性硬化症（MS）、認知症の治療に効果が期待できるということが分かってきています。13特に糖尿病性末梢神経障害に関しては、痛みを軽減するのに役立つことが明らかになっており、実際にドイツでは糖尿病性神経障害の治療にリポ酸を使用することが承認されています。14

では、サプリメントとしてのαリポ酸には本当にダイエット（体重の減少）、肌老化ケア、ボケ防止、疲労回復など効果があるのでしょうか？

αリポ酸のダイエット効果－体重の減少

αリポ酸のダイエット効果ー体重の減少

エネルギー生産に不可欠なαリポ酸を補えば、糖や脂肪の代謝が促進されて進んで痩せるのでは。。。と期待してしまいますが、どうもそうはいかないようです。

αリポ酸の肥満に対する効果に関する10の研究を分析した論文（メタ分析）では、23週間にわたってαリポ酸を摂取した人は、平均1.27 kgの体重減少がみられ、これはプラセボ（偽薬）を摂取した人よりも多く体重が減少しています。4

また別の12の研究をまとめた論文（メタ分析）によると、14週間にわたってαリポ酸サプリメントを摂取した人は体重減少が平均0.69 kgであり、こちらもプラセボ（偽薬）を摂取した人よりも体重が減少の度合いは大きかったとしています。 同じ研究では、αリポ酸によるウエストのサイズの変化は特に見られていません。14

このようにαリポ酸には減量を促進する性質があることがわかっていますが、残念ながら人の体重減少にはわずかな影響/効果しかないようです。

αリポ酸の肌老化を抑制する効果

私たちの肌も細胞によってつくられており、これらの細胞は周期的に生まれ変わることによって（ターンオーバー）、肌の健康を保っています。　しかし加齢とともにターンオーバーの周期が長くなり、肌は徐々に老化していきます。そして加齢以外に肌の老化を早めてしまう要因が、酸化ストレスと糖化ストレスによる細胞のダメージだといわれています。15

αリポ酸の肌老化を防止する効果

◆肌のシワ・シミの原因
活性酸素が体内に増えすぎることによって、酸化ストレスの状態になることは既にお伝えしたとおりです。特に私たちの肌は常に紫外線にさらされており、活性酸素の影響を大きく受けています。そしてこの酸化ストレスがシワそしてシミの大きな原因といわれます。15　αリポ酸には活性酸素を除去する抗酸化物質としての働きがありますので、肌の老化速度を遅らせるのではないかと期待されるわけです。

◆肌の黄ばみ・タルミ・シミの原因
そして肌老化のもう一つの大きな原因が、糖化ストレスです。糖化とは糖とタンパク質に熱を加えることによって結びつき、褐色に変化す反応のことをいいます。

食品の場合は、糖化反応を使って焼き色をつけるたり、風味をだすといったことができ、役に立つテクニックです。しかしこれと同じことが私たちの体の中で起こった場合、食品同様に体内のタンパク質の色が変わり、硬くなったりもろくなったりという影響が現れます。そうなると糖化は、食品に使うテクニックのように歓迎される存在ではなくなります。糖化が進むことにより、糖化最終生成物 (AGEs/Advance Glycation End products)が体内に蓄積していき、糖化ストレスの状態に陥ります。

糖化ストレスは、肌の黄ばみ、肌の弾力性の低下、シミといった肌老化を速めてしまいます。糖化ストレスを防ぐためには、糖質（炭水化物）を摂りすぎないこととともに、糖質を効率よくエネルギーに変えて、体にAGEsをためないことが大切です。そこでαリポ酸は糖代謝とエネルギー産生を促す成分として、糖化を抑えて肌老化を防止する効果がある。。ということになります。

しかし残念ながら、αリポ酸をサプリメントとして摂ることによって、肌の老化を防ぐ効果を証明する研究論文は今のところないようです。ただしαリポ酸を含むクリームを塗ることによって、小じわ、シワ、肌荒れが減少する16、またシミを薄くする17といった効果を示す研究論文があり、体の外側から肌の老化を抑える効果はありそうです。

αリポ酸のボケ防止－記憶の喪失を抑制する効果

αリボ酸のボケ防止効果　記憶の喪失を予防

「最近物忘れがひどくなってきたけど、ボケてきたのかしら？」という会話は、年を重ねるごとに増えてきます。加齢とともに脳の神経細胞は減少していくため18、若いころのようにいろいろなことが覚えていられなくなることは、誰にでもおこるうることです。

さらに酸化ストレスが、加齢に伴う記憶の喪失に大きな影響をあたえることが分かっています。19

◆αリポ酸は、脳機能を助ける抗酸化物質
前に説明した通り、αリポ酸は強い抗酸化作用と、ビタミンC、ビタミンEそしてグルタチオンなどの抗酸化物質のリサイクルを助けることから、脳内の酸化ストレスを抑えると考えられます。そしてキレーション作用により、脳からの有害金属の排出を助け、脳細胞の機能低下を防ぎます。20 　

またαリポ酸は水溶性・脂溶性の両方であるため、容易に脳細胞に達することができるという特性があります。21　αリポ酸のこれらの働きや特性が、ボケ防止、しいては認知症の予防に効果があると期待される理由です。

今までの動物実験の研究により、酸化ストレスによるミトコンドリアの損傷が認知機能に関係していること、そしてαリポ酸が脳内の活性酸素を除去することによって、脳機能低下と記憶喪失が抑制されるということが分かっています。8

しかし人を対象にした研究は数が限られており、αリポ酸の摂取が加齢による認知機能低下、または認知症（アルツハイマー型を含む）の症状の悪化を遅くらせられるかどうかに関しては、確かな結果は得られていません。この分野に関しては、更なるの研究が必要とされています。20/22

ただし、これらの人の研究に使われているαリポ酸は、病理投与量（病気治療のために短期間多量投与することにで、栄養効果とは異なる薬理作用を期待する）であり、健康食品やサプリメントに含まれる量が一般的に100mg程度であることを考えると、宣伝文句でいわれているようなボケ防止の効果には大きな疑問が残ります。

αリポ酸の疲労回復効果

αリポ酸の疲労回復効果

「今日は疲れた」「最近疲れやすくなった」「どうも疲れが抜けない」など、私たちは日々の生活の中で、疲れ（疲労感）やだるさ（倦怠感）を感じています。疲れは「痛み」や「発熱」と同じように、“無理をせずに休息をとるように”という身体から発信される重要なアラーム信号ともいえます。通常、過度の肉体的・精神的活動によって生じた疲労感は、一晩の睡眠などで回復しますが、この疲労感が回復せずに6か月以上長引いている状態が「慢性疲労」と呼ばれています。23

2022年2月に行われた疲れ・疲労に関するアンケート調査によると、なんと6割弱の人が慢性的な疲労を感じているという結果がでています。24　長いこと疲れを感じている人たちが、この不快感がなくなり疲労を回復できるのであれば。。。とサプリメントに手を出したくなるのも無理はありません。

◆疲れの原因
疲労には体内で発生する活性酸素が関わっており25、慢性疲労については、酸化ストレス26、そして活性酸素によるミトコンドリアの機能障害27が原因であることが分かってきています。ですから、ここでも強い抗酸化作用をもち、ミトコンドリアの修復に必要なエネルギーをつくるために不可欠であるαリポ酸をサプリメントでもっと摂れば、疲労回復に役立つはずであるということになります。

しかしαリポ酸の摂取が、疲労回復に直接効果があるという研究を見つけることができませんでした。ですから、現時点では理論上は効果があるに違いないと思われても、αリポ酸が疲労回復にかならずしも効果があるという根拠は十分ではないようです。

ですから「疲労感」は私たちの体が「休んでください」という警告を発していることを忘れずに、睡眠を十分にとるなどして、疲労をためないことが大切です。

αリポ酸って安全なの？ サプリの摂取量は？

αリポ酸　サプリ　効果

加齢とともに細胞の数が減れば、もちろん細胞に存在するミトコンドリアも減少していきます。1　そして活性酸素によって、ミトコンドリアの損傷がおこれば、もともと体内では少量しか合成されないαリポ酸の量は足りなくなり、エネルギー不足に陥ることも容易に考えられます。

では、手っとり早くサプリメントで不足分を補おう。。。と考えてしまいがちです。αリポ酸の摂取必要量はどのくらいなのか、また、多くとればとるほど効果があらわれるのか？ また、必要量以上に摂取しても安全なのでしょうか？

実はαリポ酸は体内で合成されるために、外部からとり入れる基準である摂取必要量は定められていません。

アメリカのオレゴン大学の資料によると、50歳以上の人はαリポ酸を毎日200-400mg摂取することが推奨されており28、糖尿病性神経障害などの病気治療の際には、その効果を期待できる量として600mg/1200mg/1800mgが経口、静脈注射、点滴などによって投与されています。

またサプリメントなどから摂取されるαリポ酸の量（50～600 mg）は、食事を通じて体内に入る量の1,000倍になるともいわれます。1

今まで行われた研究資料などを参考にすると、600mg以上のαリポ酸をサプリメントで数週間にわたって摂取しても深刻な副作用がないことが分かっています。28　また、無作為プラセボ対照比較試験の結果を集めて分析した別の研究でも、健康な人が摂取した場合、そして医療目的で使われた場合、αリポ酸が安全なことがわかったとしています。29

◆αリポ酸の安全性を疑問視する声も
しかし一方で、αリポ酸サプリメントの摂取には注意が必要だという声も聞かれます。

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所がとりまとめているαリポ酸の安全性に関する情報によると、日本ではαリポ酸の摂取によりインスリン自己免疫症候群を発症し、それにより低血糖発作を起こした例が多くあるとしています。　

また血糖値を下げる薬を服用している人は、αリポ酸を同時に摂ることによって極度の低血糖を起こす可能性があると注意を促しています。30

また、αリポ酸のR型（天然）とＳ型（合成）のうちのＳ型に関しては、安全性に問題があるという研究発表があります。

体内で抗酸化物質として、そして補因子としての働きをもつのはＲ型だけであることが分かっていますが31、多くのサプリメントはＲ型とＳ型を等量に含んでいます。この研究によると、Ｓ型αリポ酸は糖尿病を悪化させ、細胞への糖質（グルコース）の取り込みを阻害するというものです。32（ただし、この研究は動物実験ですので、解釈に関しては注意が必要です。）

日本で健康食品そしてサプリメントとして発売されているαリポ酸には、含有量、純度、そして天然（R型）なのか合成（Ｓ型）なのかがしっかり記載されていない商品が多く市場に出回っています。αリポ酸は比較的安全といわれる成分ですが、購入に際してはしっかりと含有量、種類などを確認する必要があります。

まとめ

αリポ酸はエネルギー生産のために不可欠であり、加齢とともに衰えるミトコンドリアの機能をサポートし、酸化ストレスを軽減する強い抗酸化物質として働き、健康維持のために役立つ成分だということが分かってきました。

しかし残念ながらαリポ酸を摂取すれば、それだけで体重が大きく減ったり、若返ったりということはありません。αリポ酸はあくまでもサポートであり、酵素をつくるタンパク質が不足していたり、栄養素が腸から吸収されない状態であっては、いくらαリポ酸だけを一生懸命摂取しても思うような効果は得られません。

食生活や腸内環境の見直し、ストレスをためない習慣、運動をしてエネルギー産生が順調に行える体づくりをすることで、はじめてαリポ酸が役にたってきます。サプリメントの宣伝文句に過度な期待をして、すぐに飛びつくのではなく、まずは日々の生活習慣を見直して、本当にαリポ酸のサプリメントが必要か判断することが大切でのようです。

筆者：　豊田 幸代
JHNA認定ストレスニュートリショニスト
認定ホリスティックプラクティショナー


参考資料

  1. Anna Gorąca, Halina Huk-Kolega, Aleksandra Piechota, Paulina Kleniewska, Elżbieta Ciejka, Beata Skibska,
    Lipoic acid – biological activity and therapeutic potential, Pharmacological Reports, Volume 63, Issue 4, 2011, Pages 849-858, ISSN 1734-1140, https://doi.org/10.1016/S1734-1140(11)70600-4.
  2. Bianconi E, Piovesan A, Facchin F, Beraudi A, Casadei R, Frabetti F, Vitale L, Pelleri MC, Tassani S, Piva F, Perez-Amodio S, Strippoli P, Canaider S. An estimation of the number of cells in the human body. Ann Hum Biol. 2013 Nov-Dec;40(6):463-71. doi: 10.3109/03014460.2013.807878. Epub 2013 Jul 5. Erratum in: Ann Hum Biol. 2013 Nov-Dec;40(6):471. PMID: 23829164.
  3. 日本人の食事摂取基準（2015年版）
    https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
  4. Linus Pauling Institute | Oregon State University, Lipoic Acid
    https://lpi.oregonstate.edu/mic/dietary-factors/lipoic-acid
  5. Mendoza-Núñez VM, García-Martínez BI, Rosado-Pérez J, Santiago-Osorio E, Pedraza-Chaverri J, Hernández-Abad VJ. The Effect of 600 mg Alpha-lipoic Acid Supplementation on Oxidative Stress, Inflammation, and RAGE in Older Adults with Type 2 Diabetes Mellitus. Oxid Med Cell Longev. 2019;2019:3276958. Published 2019 Jun 12. doi:10.1155/2019/3276958
  6. Ikuta N, Sugiyama H, Shimosegawa H, et al. Analysis of the enhanced stability of r(+)-alpha lipoic Acid by the complex formation with cyclodextrins. Int J Mol Sci. 2013;14(2):3639-3655. Published 2013 Feb 7. doi:10.3390/ijms14023639 / http://hdl.handle.net/2297/39001
    R-αリポ酸-シクロデキストリン包接体の物理化学的特性と応用に関する研究
  7. Golbidi S, Badran M, Laher I. Diabetes and alpha lipoic Acid. Front Pharmacol. 2011 Nov 17;2:69. doi: 10.3389/fphar.2011.00069. PMID: 22125537; PMCID: PMC3221300.
  8. Gorąca A, Huk-Kolega H, Piechota A, Kleniewska P, Ciejka E, Skibska B. Lipoic acid - biological activity and therapeutic potential. Pharmacol Rep. 2011;63(4):849-58. doi: 10.1016/s1734-1140(11)70600-4. PMID: 22001972.
  9. 日本キレーション協会
    https://chelation.jp/outline/qa/
  10. Nguyen H, Gupta V. Alpha-Lipoic Acid. [Updated 2021 Nov 20]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2022 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK564301/
  11. Shay KP, Moreau RF, Smith EJ, Smith AR, Hagen TM. Alpha-lipoic acid as a dietary supplement: molecular mechanisms and therapeutic potential. Biochim Biophys Acta. 2009 Oct;1790(10):1149-60. doi: 10.1016/j.bbagen.2009.07.026. Epub 2009 Aug 4. PMID: 19664690; PMCID: PMC2756298.
  12. Salehi B, Berkay Yılmaz Y, Antika G, et al. Insights on the Use of α-Lipoic Acid for Therapeutic Purposes. Biomolecules. 2019;9(8):356. Published 2019 Aug 9. doi:10.3390/biom9080356
  13. Kucukgoncu S, Zhou E, Lucas KB, Tek C. Alpha-lipoic acid (ALA) as a supplementation for weight loss: results from a meta-analysis of randomized controlled trials. Obes Rev. 2017 May;18(5):594-601. doi: 10.1111/obr.12528. Epub 2017 Mar 13. PMID: 28295905; PMCID: PMC5523816.
  14. Namazi N, Larijani B, Azadbakht L. Alpha-lipoic acid supplement in obesity treatment: A systematic review and meta-analysis of clinical trials. Clin Nutr. 2018 Apr;37(2):419-428. doi: 10.1016/j.clnu.2017.06.002. Epub 2017 Jun 8. PMID: 28629898.
  15. 皮膚老化概論：酸化ストレスと糖化ストレス, 米井 嘉一, 八木 雅之, 髙部 稚子, 今 美知Online ISSN : 1884-4146, Print ISSN : 0387-5253, ISSN-L : 0387-5253
    https://doi.org/10.5107/sccj.53.83
  16. Sherif S, Bendas ER, Badawy S. The clinical efficacy of cosmeceutical application of liquid crystalline nanostructured dispersions of alpha lipoic acid as anti-wrinkle. Eur J Pharm Biopharm. 2014 Feb;86(2):251-9. doi: 10.1016/j.ejpb.2013.09.008. Epub 2013 Sep 18. PMID: 24056055.
  17. Kubota Y, Musashi M, Nagasawa T, Shimura N, Igarashi R, Yamaguchi Y. Novel nanocapsule of α-lipoic acid reveals pigmentation improvement: α-Lipoic acid stimulates the proliferation and differentiation of keratinocyte in murine skin by topical application. Exp Dermatol. 2019 Feb;28 Suppl 1:55-63. doi: 10.1111/exd.13828. PMID: 30698882.
  18. 高齢者の健康上の問題/高齢者の体/加齢に伴う体の変化
    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
  19. Haddadi M, Jahromi SR, Sagar BK, Patil RK, Shivanandappa T, Ramesh SR. Brain aging, memory impairment and oxidative stress: a study in Drosophila melanogaster. Behav Brain Res. 2014 Feb 1;259:60-9. doi: 10.1016/j.bbr.2013.10.036. Epub 2013 Oct 30. PMID: 24183945.
  20. Molz P, Schröder N. Potential Therapeutic Effects of Lipoic Acid on Memory Deficits Related to Aging and Neurodegeneration. Front Pharmacol. 2017;8:849. Published 2017 Dec 12. doi:10.3389/fphar.2017.00849
  21. Choi KH, Park MS, Kim HS, et al. Alpha-lipoic acid treatment is neurorestorative and promotes functional recovery after stroke in rats. Mol Brain. 2015;8:9. Published 2015 Feb 11. doi:10.1186/s13041-015-0101-6
  22. Sauer J, Tabet N, Howard R. Alpha lipoic acid for dementia. Cochrane Data base Syst Rev. 2004;(1):CD004244. doi: 10.1002/14651858.CD004244.pub2. PMID: 14974062.
  23. 疲労の正体、解明されてきた現代における「疲れ」の原因、梶本修身
    https://www.yakult.co.jp/healthist/233/img/pdf/p02_07.pdf
  24. 疲れ・疲労に関するアンケート調査（第4回）
    https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=28311
  25. 疲労回復に役立つ栄養、食事：特定国立研究開発法人 理化学研究所 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム プログラムディレクター　渡辺 恭良
    https://www.nyusankin.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/Nyusankin_505_b-1.pdf
  26. Logan AC, Wong C. Chronic fatigue syndrome: oxidative stress and dietary modifications. Altern Med Rev. 2001 Oct;6(5):450-9. PMID: 11703165.
  27. Kaiser JD. A prospective, proof-of-concept investigation of KPAX002 in chronic fatigue syndrome. Int J Clin Exp Med. 2015 Jul 15;8(7):11064-74. PMID: 26379906; PMCID: PMC4565289.
  28. Linus Pauling Institute | Oregon State University, Rx for Health
    https://lpi.oregonstate.edu/publications/rx-health#other-supplements
  29. Fogacci F, Rizzo M, Krogager C, et al. Safety Evaluation of α-Lipoic Acid Supplementation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Placebo-Controlled Clinical Studies. Antioxidants (Basel). 2020;9(10):1011. Published 2020 Oct 19. doi:10.3390/antiox9101011
  30. 国立健康・栄養研究所　食品保健機能研究部　健康食品情報研究室、「健康食品」の安全性・有効性情報
    https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail714.html#2
  31. Shay KP, Moreau RF, Smith EJ, Smith AR, Hagen TM. Alpha-lipoic acid as a dietary supplement: molecular mechanisms and therapeutic potential. Biochim Biophys Acta. 2009;1790(10):1149-1160. doi:10.1016/j.bbagen.2009.07.026
  32. R-αリポ酸の効能とS-αリポ酸の毒性に関する論文の要約と考察
    http://www.cyclochem.com/cyclochembio/watch/watch_044_01.html