現代人の快適な生活、便利な食生活は、多くの化学物質によって支えられています。
ホリスティック栄養学では、不自然な添加物、食品着色料、防腐剤などに関しては、たとえ一般的に安全と認められているものでも、健康に対する干渉要因、身体の負荷になるストレッサーであると考えます。
日本人は、1日約22 g、年間8 kgもの食品添加物を体内にとりこんでいるといわれます。100年前くらいにタイムスリップするならいざ知らず、こうした物質を完全にシャットすることは不可能です。しかし、どのような食品に多く含まれているかを知り、極力、添加物の多い食品は避けるようにしたいものです。
どのような加工食品でも多くの添加物がつかわれますが、なかでも添加物の量が多いとして知られる、食品ワースト3は、
1.ハム・ソーセージ・練り物類
2.明太子
3.漬け物
これら食品ワースト3について、ひとつひとつ見ていくことにしましょう。
ハム・ソーセージ・練りもの類
まずは次の表を見てください。無添加のハムに比べ、一般に販売されているハムの中には、こんなにも多くの添加物が含まれています。
この中に含まれる「亜硝酸ナトリウム」は発色剤で、保存料としても使われますが、胃の中で「アミン類」と結合すると、「ニトロソアミン」という発ガン性物質に変わります。海外では、これを使った殺人事件が起こったといわれるほど強力なもの。こうしたことから、最近では亜硝酸ナトリウムや化学調味料を使わない「無塩せきハム」が発売されています。でも、ほかの添加物はそのままだったりして…。
また、リボヌクレオチドナトリウムには染色体異常、ポリリン酸ナトリウムには骨形成への悪影響が懸念されています。
肉なのになぜ大豆タンパク?
ハムといえば原料は肉。なのに、なぜ大豆タンパクや卵白が必要??その理由は簡単です。肉に「水」を注入して増量しているからなのです。業界では「プリンハム」「雑巾ハム」などと呼ばれているとか。
もちろん、水をそのまま注入してもグチャグチャになってしまうので、加熱することで固まる肉用ゼリーを注入します。このゼリーを固める物質に、大豆タンパクや乳タンパク、卵白、海藻抽出物などが使われます。
安いハムなら肉の20~30%に相当する量を水増しします。それをごまかすための添加物も必要になります。色や味、弾力などは、食品添加物を加えることでどうにでもなるのです。
食べるときにはよくゆでて
食品添加物を100%カットすることは、現代に生きる私たちには無理。でも、少しでも減らす工夫は必要でしょう。
一部の添加物は水や高温に弱いので、加熱することで多少は取り除くことができます。ハムやソーセージ類、かまぼこなどの練り物類は、なるべく口にしないのがベストですが、食べる場合は、一度ゆでてから。ゆで汁には添加物が溶け出すので、飲まないほうがいいですね。スープや汁物に使う場合も、一度ゆでてよくその湯を切り、あらためて入れるようにします。
とはいえ、これですべての添加物をとり除けるわけではありません。添加物が極力少ない食材を選ぶこと。そして何より、体内に入ってきた有害物質を即座に無毒化したり、追い出したりできる体側の条件を整えておくが大切です。それについては、またの機会にジックリお話ししますね。
明太子
一見、食品添加物とはあまり縁がなさそうな明太子。ところが、添加物が多く含まれている食品ワースト3に入るほど!明太子の添加物といえば、真っ赤な着色料くらいしか思いあたらないでしょうが、実は、明太子ほど、添加物を多く使わないとつくるのが難しい食品はないようです。
タラコに含まれる添加物
明太子の原料は、タラコ。スケソウダラの卵巣を塩漬けにし、酒とみりんを加えてタラコにします。高級なタラコは、身がしまって硬く、色つやがいいものです。色が悪くてやわらかいものは低級品とされています。
ところが、この低級品のタラコを、着色料・リン酸塩・亜硝酸・有機酸塩など数種類もの添加物がブレンドされた液に一晩つけておくと、硬くてピカピカの高級タラコに生まれ変わります。
この段階で使われる「ポリリン酸ナトリウム」は、腎石や貧血、骨への影響が示唆されていますし、「亜硝酸ナトリウム」はアミン類と結合すると発ガンの疑いがあるほか、重度の気管支喘息を引き起こすともいわれているのです。いずれも、中~高危険度の添加物とされています。
明太子はもっとすごい!
このタラコをさらに加工して明太子をつくるのですが、その折にももちろん添加物がつかわれます。無添加の明太子では、酒・しょうゆ・昆布だし・カツオだし・水あめ・唐辛子などで味つけされるのですが、添加物の入った明太子は、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)を大量に加えます。その量は、化学調味料使用量が多い食品といわれている、かまぼこの、なんと約2~3倍にもなるそう。それに、保存と味つけのため、タンパク質加水分解物・5'-リボヌクレオチドナトリウム・ソルビトールなども加えていきます。
スケソウダラの卵巣から明太子ができるまで、メーカーによって差はあるものの、少なくとも10種類以上、多ければ25種類もの添加物が使用されるのが普通といわれます。これだけ多くの添加物を同時にとって、食べ合わせのことも気になります。厚生労働省が食品添加物を認可する際、そのもの単体の毒性などの検査はしますが、他のものと同時にとったときの、いわゆる「食べ合わせ」は、考慮されていないのですから…。
「無着色」の明太子なら大丈夫?
食品添加物(特に合成着色料)の害が知られるようになって、タラコや明太子の中でも、色が薄くてちょっとくすんだような「無着色」のものが売られるようになりました。イメージ的に安心感がありますよね。
しかし、これらは「着色料をつかっていない」というだけであって、無添加ではありません。発色剤や保存料、品質改良剤、酸化防止剤、PH調整剤などといった添加物は他の明太子と同様につかわれますし、前述の亜硝酸ナトリウムやポリリン酸ナトリウム、化学調味料ももちろん含まれています。いかにも添加物が少ないかのように店頭に並んでいる「無着色明太子」も、決して健康志向とはいい難いですね。
漬け物
「添加物が多く含まれている食品ワースト3」のラストを飾るのは、「漬け物」です。
漬物といえば、日本の伝統食品。「お袋の味」の代表格です。自分でちゃんと漬ければ、健康にプラスに働いてくれる漬け物も、スーパーなどに並ぶインスタント漬け物には多くの添加物が…。たくわん漬の黄色も、福神漬の赤い色も、着色料なのです。
低塩漬物は添加物の宝庫
塩分・糖分・脂肪が「余分3兄弟」ということで、追い出されるCMを見たことあるでしょう?生活習慣病が問題視されて以来、これらは「身体によくないもの」と敵視され、塩辛いものは敬遠されるようになりました。塩がたっぷりと使われる手づくり漬け物は、もちろん槍玉にあがりました。
漬け物に塩分が多いのには、訳があります。長期間漬けておく漬物は、塩分が10%以上ないと常温保存ができません。酵素活性を抑え込むのに必要なんですね。色落ちを防ぎ、食感を保つという働きもありますし、もちろん味にも貢献しています。
塩分を減らすということは、これらの役割を補う添加物を加えるということにほかなりません。そこで登場するのが、化学調味料やソルビン酸、酸化防止剤、PH調整剤、酸味料、着色料などです。甘草やステビアなどの甘味料をつかって、塩分の味をごまかしてもいます。塩分を減らしても、これでは身体にいいはずがありません。
乳酸菌ゼロの「漬物風加工食品」
一時期、「キムチに含まれる乳酸菌が身体にいい」と、もてはやされたことがありました。キムチだけでなく日本の漬け物も本来は、じっくり長時間漬けて乳酸発酵させるもの。乳酸菌が豊富に含まれ、腸内環境の改善に役立つほか、独特の酸味やうま味をかもしだします。
ところが、漬けるのに時間がかかればかかるほど、生産性は悪くなりますし、コストもかかります。それを補っているのが食品添加物です。
たくわんを例に挙げると、一昼夜塩漬けしたダイコンを、食品添加物の入った調味液の中に漬け、米ヌカをまぶしてつくります。手づくりのぬか漬けならたっぷりと含まれているはずの乳酸菌は、まったく含まれていません。乳酸発酵による酸味は、酸味料などを使って補っています。メーカーによっては、キャリーオーバーによって原産地や添加物の多さをごまかすため、「漬け物風加工食品」として販売している場合もあるようです。
こんな野菜も使われる
漬け物といえば、原材料は当然野菜ですね。すべてとはいえませんが、鮮度が落ちている野菜がつかわれることも、実はあるとか。ある港では、塩蔵された野菜が大量に輸入されているそうですが、中には、どのような色にでも着色しやすいように、真っ白に漂白されたものもあるそうです。これらは、漬け物業者による加工ではないため、キャリーオーバーとなり、ラベルにはまったく表記されません。
浅漬け程度なら、冷蔵庫内のあまった野菜で簡単につくることができます。食べやすい大きさに切り、塩でもんで、軽く重石をして冷蔵庫で1時間ほど寝かせたら、即席漬け物のできあがり。細切り昆布を入れたり、酢漬けにしてもいいでしょう。
漬け物は自分でつくるのがいちばん安心かつヘルシー。もちろん、即席浅漬けの元みたいなものをつわなければ、ということになりますが…。
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まとめ
- 不自然な食品添加物は、たとえ「安全」といわれているものでも健康に対する干渉要因となりうるので、極力自分の食生活から排除していくように考えたい。
- 食品添加物が多く含まれる食品ワースト3といえば、①ハムやソーセージ・練り物類、②明太子、③漬け物
- ハムやソーセージは、食べるのであれば、なるべく無添加のものを選ぶように。
- 明太子は、(着色料が)無添加でもその他の添加物が多いことを心得る。どうしても食べたい場合には、量が多くならぬよう、また、頻繁に口にしないに気をつけよう。
- 漬け物は、自分で漬けよう!
あなたが最高の健康を手にいれ、いつもハッピーでありますように・・。
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