脂肪や油のとりすぎが、現代人を太らせ、健康上の問題を引きおこしているといわれます。
とはいえ、やみくもに脂肪や油をカットしたり、"体脂肪にならない油"の類に飛びついてもダメ!
健康的な食生活には「よい油」が不可欠。体にとって不可欠な脂肪酸を正しくとれば、血流や代謝は良くなり、健康もスリムボディも手に入れられるのです!
- バランスよく摂ることが重要課題
- STEP 1 オメガ6系の油を減らす
- STEP 2 オメガ3系油を増やす
- EPAのサプリは?
- αリノレン酸系油は加熱しない
- 加熱調理には、オリーブ油、ゴマ油、または、バターを
- まとめ
バランスよく摂ることが重要課題
私たちが食用に使う油脂や、食べ物に含まれている脂肪は高カロリーで、摂りすぎに注意は必要。
でも、脂肪や油に含まれる脂肪酸は、体内で脂溶性ビタミンを運んだり、細胞膜をつくったり、なかにはホルモン様調整物質の原料になるものもあり、健康に直接作用する大切な役割を担っています。
適正体重を維持し、いつまでも若々しく健康でいるためには、いくつかの脂肪酸を「バランスよくとる」ことが大切です。
「現代人はオメガ6系脂肪酸の摂りすぎで、オメガ3系が足りない」との指摘があります。逆にいえば、オメガ6系を減らし、オメガ3系を増やせば、健康なボディが実現!ということ。
ちなみに、オメガ6系はコーン油、大豆油、ゴマ油、紅花油など食用油(LA)や動物性脂肪(AA)、オメガ3系は主として魚類(EPA)にふくまれます。
STEP 1 オメガ6系の油を減らす
オメガ6系は必須脂肪酸であり、体内でつくれないため食事からとらなければなりません。とはいえ、オメガ6系のリノール酸は、ありとあらゆる食品にふくまれているため、現代人の多くが無意識に摂りすぎています。
リノール酸の多い食用油を極力使わないように心がけるとともに、加工食品(リノール酸の多いパーム油が多く使われている)を減らす努力が必要です。
体内で血糖やコレステロール、中性脂肪、ホルモンほか、さまざまなバランス調整をする物質の原料になる脂肪酸が、オメガ3系に1種類、オメガ6系には2種類あります。これら3種の摂取バランスが崩れると体内のあらゆる働きに狂いが生じ、健康に支障がでてきます。
オメガ6系 2種類の脂肪酸バランスのためには、1日 1回は(良質のタンパク質でもある)「肉・卵」を食べ、食用油はカット(調理にはバターかオリーブ油、ゴマ油を使用)。そして、GLA(γリノレン酸)をE.プリムローズオイル(月見草油)などのサプリメントで補うことがおすすめです。
STEP 2 オメガ3系油を増やす
オメガ3系脂肪酸を手っとり早く増やすには、EPAが豊富な魚類を食べること。
一日のEPAの必要量を満たすには、イワシなら中くらいのもの二尾、サンマなら大ぶりを一尾、マグロのトロなら 50g。
「調理が面倒」、「生ゴミが増える」、「高価」などの理由で魚を敬遠する人は多いようです。そこで提案!安くて、調理が簡単な魚の缶詰を利用しましょう。
サバ、サンマ、イワシ。サケもいいですね。オイル漬けや味付きではなく、「水煮」がおすすめ。余分な油や糖分をとらなくてすむばかりか、ちょっとした工夫で、いろいろなレシピを楽しめます。
おいしく食べるには、
1. 水気をしっかり切る
2. 加熱しないで食べる場合は、さっと熱湯をかける
3. ショウガやワサビ、山椒、唐辛子など、スパイス類をうまく使う
4. キムチのような強い風味の素材と合わせる
5. ポン酢、レモンなどの柑橘類の酸味と合わせる
などがオススメ。魚の缶詰を常備しておけば、いつでも思いたったときに食べられますね。
EPAのサプリは?
1日 1食、魚にできれば、それが一番。でも、どうしても無理なら、EPAのサプリ摂取も選択肢の一つ。ただ…
- 原料に、食品連鎖ピラミッドの上位に位置している中型魚や大型魚、深海魚、アザラシなどを使っているものもあるようですし、水銀などの環境汚染物質の蓄積が心配。
- 加熱加工のため脂肪酸以外の脂溶性有効成分が消失、酸化も進みやすい。
- 化学溶剤の使用、脱臭剤・脱色剤などが精製のために使われている。
- トランス脂肪酸が含まれる。
…等など、むしろ健康に悪影響をおよぼしかねない製品も多いようです。
汚染の少ない海域でとれた小魚など、原料が特定されていて、薬剤や熱を使わずつくられた製品を選びたいものです。
αリノレン酸系油は加熱しない
直接EPAをとらなくても、体内でEPAに変わるαリノレン酸の多い油(エゴマ油、しそ油、亜麻仁油)を使うという手もあります。ただ、とても酸化しやすい油なので取り扱いにはご用心!
- 加熱調理に使わない-
光や空気にふれると、すぐに酸化。ドレッシングなど加熱しない使用法の工夫を。 - 抗酸化力の高い食材と一緒にとる-
体内に入ってからも酸化しやすいので、果物や野菜など抗酸化成分をたっぷり含んだ食材と一緒か、抗酸化栄養素のサプリと一緒にとること。野菜ジュースに垂らして飲むのもオススメ。 - 冷暗所で保管し、早めに使い切る-
開封前でも酸化が進むので、光を通さない容器に入った製造日の近い物を求めます。アルミホイルで覆って遮光し、冷暗所に保存。早めに使いきりを。 - リノール酸油との併用は御法度-
どちらも体内で活用されなくなります。
なお、体内で不可欠なのは、αリノレン酸ではなく、EPAです。αリノレン酸は体内でEPAに変換されますが、その変換率は極めて低く、せいぜい10%程度(最新の研究では0.2%~8%とされる)。オメガ6系の摂取をαリノレン酸のみに頼りすぎず、EPAそのものの摂取を心がけることが大切です。
加熱調理には、オリーブ油、ゴマ油、または、バターを
オリーブ油やゴマ油はオメガ9系油。オメガ9系油は、身体にとって不可欠な脂肪酸ではありませんが、酸化されにくいため加熱調理に適しています。いずれも圧搾法でつくったものを選ぶように...。
なお、一口にオリーブ油といっても、さまざまな製品が存在します。健康的メリットを得るには、エキストラバージンオイルがベストです。ただ日本の場合、海外のようなキチンとした基準がないため、健康的メリットのない、精製されたものまで、「エキストラバージンオイル」として販売されているケースもあるので、注意が必要です。
酸化されにくい油脂の代表格といえば動物性のバターやラード。いため物などをするときには少量のバターで...。体内調整物質1系統の原料となるジホモγリノレンも含まれ、おすすめです。
食用油は一度使うと酸化が進みやすくなるので、再利用は避けたいもの。大量の油をつかう揚げ物より、その都度油を使いきる調理法を心がけましょう。
悪い油をカットし、良い油に切りかえて、健康維持もダイエットも成功させましょう!
まとめ
- 脂肪は高カロリーで摂りすぎに注意が必要だが、脂肪や油に含まれる脂肪酸は、健康に直接作用する大切な役割を担っている。
- 減らすべきとはいえ、オメガ6系は必須脂肪酸であり、1日1回は肉や卵などを食べる。食用油はできるだけカット。
- オメガ3系脂肪酸の補給には、EPAが豊富な魚類がベスト。魚の調理が難しいなら缶詰でもOK。EPAのサプリを利用するなら原料や製法をチェック。
- 体内でEPAに変わるαリノレン酸の多い油を使うなら、酸化に気をつける。加熱調理には、オリーブ油、ゴマ油、またはバターを。
あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。
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