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サプリメントの効果をひきだす選択法と摂取法の知っておくべきポイント

サプリの効果をひきだす選択法と摂取法

私たちの日常生活は、目まぐるしく変化しています。とくに食生活においては、食材の栄養価の低下が進んでおり、必要な栄養素をすべて食事から摂取することが難しくなってきています。

そうした状況下、不足する栄養素を補うためのサプリメントの役割は大きく、適切に選び、活用することは、オプティマルヘルス(最上の健康)を目指すために必須といえるでしょう。

これまで、いくつかの記事でサプリメントの基本的なことをお伝えしてきましたが、今回は、サプリメントを身体の改善に”効かす”ために、どのように自分の必要量を見極めてサプリを選べばいいのか、また、効果をだすために必要な摂取タイミング、さらに、あなたが効果を実感できない場合のチェックポイントなどをみていきましょう。

サプリメントの必要性

生きていくために必要な栄養素を、ヒトは体内でつくることができません。そのため、「食べる」という行為をつうじて、身体に必要な栄養素の調達を外部委託しています。

身体に必要なすべての栄養素を確保するため、いついかなるときにも健康的な食事を心がけるべきであることは、いうまでもありません。しかし、いくら摂取量やバランスに気をつけて食事をしていても、身体に必要なすべての栄養素の確保が難しいのが、今の時代です。

とくに、ストレス社会といわれる現代、ストレスを感じている人、ストレス反応が症状としてあらわれている人は、体内で通常以上に多くの栄養素が消費されていきますので、より多くの栄養素の摂取が必要です。食事の改善とともに、良質のサプリメントをうまくつかっていくことを心がけたいものです。 

栄養素の不足がひきおこす身体の変化

どこをみまわしても食べ物があふれるこのご時勢。現代人のほとんどが食べすぎなのに、肝心の栄養素は不足気味。いかにも健康そうにみえる人でも、栄養素のかたよりで、代謝がうまくいかなくなり、健康レベルを低下させているのが現状です。

栄養素は、私たちの37兆2千万もの細胞その一つ一つが正常に機能するために必要です。各種栄養素の不足は、身体にさまざまな変化をもたらします。

特定のビタミンやミネラルが不足することで、疲れやすくなったり、集中力が低下したり、免疫力が弱まります。爪が割れやすくなったり、肌や髪の状態が悪くなることもあるでしょう。

また、栄養素の不足は精神面にも影響をおよぼしますから、気分の変動やストレスへの対処が難しくなることもあります。

たった一つの栄養素が不足することで、慢性的な身体的トラブルにつながることも多々あるのです。

バランスよく食べていればサプリは必要ない?

現代人は、過密スケジュールと処理すべき情報の洪水にさらされています。忙しい日常生活においては、ファストフード、インスタント食品やレトルト食品に頼ることが多くなりがちです。

健康を維持するためには、健康的な食事を心がけ、必要な栄養素をしっかりと摂取することが大切であることを理解している人は多いでしょう。

とはいえ、現代の食環境では、たとえバランスのいい食事を心がけていても、栄養素が確保できるとはかぎりません。

農地や農法の問題で、農作物のビタミン・ミネラル含有量は50年前の何分の一、何十分の一といわれるほど減少しています。(今や、鉄分ゼロのほうれん草もある!)

農作物の保存や輸送の過程でも栄養素は失われていきます。加熱による栄養素の変成や損失もあります。

さらに食物は、精製や、加工されることで、ビタミンやミネラル、食物繊維など栄養素の多くが削ぎおとされ、そのかわりに、化学的な添加物や好ましくない糖や脂肪が多量に添加されているケースがほとんどです。

たとえ管理栄養士さんがつくった国のガイドラインを満たす最高のバランス食を食べているつもりでも、身体に必要な栄養素が十分に確保できている保証はないのです。
★ビタミンの推奨量をとっていても不足する?最高の健康のための栄養摂取量とは

現代の食生活は、さまざまな理由から栄養素不足が生じやすいといえます。体調不良からの回復、健康レベルの維持/向上を目ざすなら、サプリメントをうまく活用することが必至でしょう。

健康食品・サプリメントは、あくまでも“食品”

健康食品・サプリメントは、あくまでも食品

「身体に効果があってはいけない」のが原則

日本では、健康食品やサプリメントに法律的や行政的な定義はなく、便宜上、「特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品」とされています。ただ、健康食品/サプリメントは、すべて、「食品」としてあつかわれ、医薬品・医薬部外品と明確に区別されています。

「食品」は、“一般食品”“保健機能食品”に分かれています。

栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品、サプリメント、○○ハーブ、といった表示で販売されている、いわゆる健康食品は、“一般食品”に属します。これらは、機能性の表示や効能をPRすることが一切できません。摂取方法の表示もNGです。

一方、“保健機能食品”には、3つの区分(トクホ機能性食品栄養機能食品)があり、それぞれの区分によって許可範囲/内容は異なりますが、機能性の表示が可能です。とはいえ、保健機能食品も所詮は食品。医薬品・医薬部外品のような効果は、「あってはいけない」というのが、お役所の基本的なスタンスです。

食品/サプリメントに関する制度についてくわしくは、機能性表示食品は効果ある?特定保健用食(トクホ)や栄養機能食品との違いは?

どの栄養素を、どれだけ摂取しているのか・・?

どの栄養素をどれだけせ摂取しているのか?

「一般食品」として、あるいは、「保健機能食品」として括られるのかは別にして、サプリメントは大まかに3つのグループに分けられます。

1.紅麹、青汁、クロレラ、卵黄、ニンニク粒、すっぽん粒、黒酢など、もともとの食品を、粉砕や凝縮して錠剤やカプセル状にした、健康食品系サプリメント

これらのなかには、機能性表示食品もふくまれ、消費者は、特定の効果を期待して摂取します。でも、それぞれの製品にふくまれる栄養素やその分量は曖昧で、原料や製造法、製造時期などによって、含有栄養素にバラツキがあります。

2.ビタミン・ミネラル・アミノ酸・脂肪酸などの必須栄養素や栄養補助食品系サプリメント

1粒/カプセルにふくまれる特定の栄養素量がハッキリしているもので、自分がどの栄養素を何㎎/㎍摂取しているか(たとえば、ビタミンC 1粒500mg とか、亜鉛1粒15㎎ etc., etc.)、どれくらいの力価/活性があるか(たとえば、消化酵素サプリ1粒にプロテアーゼが80,000 HUT)が明確です。どのような栄養素を、どれだけ摂取しているかが確認できるので、自分の身体に必要な栄養素を、必要に応じて補給できます。栄養療法で、主として使用されます。

3.メディシナルハーブ、ハーブ系サプリメント

薬効があるハーブ類で、海外では普通にサプリメントとして販売されていますが、日本では医薬品扱いになっているものが多いといえます。

ハーブ系サプリメントの摂取で効果がではじめるまでにはある程度の期間がかかるため、数週間から、数か月の摂取が必要になります。ただ、長期間にわたって摂取をつづけることはせず、身体のトラブル/特定の症状が軽減するまでの一定期間にかぎり摂取をします。
※ハーブ系サプリメントに関してくわしくは、別の記事であつかいます。 

ベーシックサプリメントとスポットサプリメントを分けて考える

どのようなサプリメントをとったらいいのか迷ったら、前項での分類とは別に、基礎栄養素を補うための「ベーシックサプリメント」と、特定の働きを狙って摂取する「スポットサプリメント」と、2つのグループに分けて考えると理解しやすいかもしれません。

ベーシックサプリメントは、ビタミン、ミネラル、脂肪酸やプロテインなど、身体の維持に不可欠な栄養素のサプリメント。これら栄養素がキチンと吸収されるための消化酵素(ダイジェスティブエンザイム)サプリメントも、このグループに入ります。

肌にハリが欲しい、血糖値または、血圧をさげたい、貧血を改善したい、ヒザ関節の動きを良くしたい、免疫力をあげたい、不眠症を改善したいなど、特定の目的のために摂取するのが、スポットサプリメント。スポットサプリメントは、気になる症状などが改善するまでのあいだ、あくまでもスポット的に使用します。

身体の悩みが諸々ある人は、特定の効果をうたっているサプリメントを何種類かそろえて摂取すれば、いくつもの悩みを一気に解消できるように思えるかもしれません。でも、そのような利用法は、むしろデメリットになる可能性が高いといえます。

栄養素は一緒に摂取することによって、その作用が高まるものもありますが、逆にお互いの作用を邪魔するものもあります。「○○にいい」といわれるものを、いろいろそろえて摂取しても、結局ムダになりかねません。ムダだけならまだしも、かえって身体を害することさえあるのです。

なにより、ベーシックな栄養素に不足があれば、いくらスポットサプリメントをとったところで、期待するほどの効果はあらわれないでしょう。基礎工事なしに家を建てても、いずれ崩壊の危機があるように…。

ベースとなるビタミンやミネラル類の不足がない状態をつくったうえで、ご自身の身体の状況/症状にあわせて、ビタミンなどを増量摂取するか、アミノ酸やハーブ類などのスポットサプリメントを1~2種類にしぼって使用するのが賢明でしょう。

人によって栄養素の必要量は異なる

人によって栄養素の必要量は異なる

必要量が10倍、100倍も異なるケースも

人によって栄養素の必要量は、大きく異なります。

分子栄養学の生みの親、三石巌先生は、個体差は、水溶性のビタミンの必要量であれば100倍、脂溶性のビタミンの必要であれば10倍の違いがあるといっています。

たとえば、仮に政府の推奨量である1日100㎎のビタミンCで健康維持ができる人がいるとすれば、その100倍(10g)の量を摂取しないと健康維持ができない人もいる、ということです。

実際、栄養療法では、疾病によってビタミンCを1日30gとか、100gをすすめるケースもあります。

ミネラルは不足と過剰(毒性をあらわす)の枠が非常に狭いため、ビタミンほどの個体差はありません。それでも、たとえば、マグネシウムや亜鉛などについては、人によって摂取量がかなり異なります。

身体の改善に必要な栄養素&その必要量

海外では、身体のトラブルや症状別にどのような栄養素をどの程度摂取すべきかをくわしく解説したマニュアル的なものが一般書店やサプリメント販売店などで入手できます。

これらを参考に、あなたの身体の状況にあわせて効果的なサプリメント摂取が可能になります。でも残念ながら、日本では、薬機法(旧薬事法)の関係なのか、このような書籍は皆無。自分で勉強したくても、そのような土壌は整っていません。

栄養療法にくわしい医師の元、血液検査・毛髪ミネラル検査・有機酸検査などをうけ、それらの結果から特定の栄養素不足の可能性を確認し、その不足している栄養素を補っていくことができれば、ベストでしょう。なぜ特定の栄養素が不足するに至ったか、根本原因の追究もしてくれます。でも実際、栄養療法にくわしい医師に相談できる人は、限られているといわざるを得ません。

あなたに必要なビタミン&ミネラル量を簡単に知るには 

ある程度の知識を習得すれば、一般検診の血液検査データからでも、あなたが不足している栄養素を読みとることができます。
血液検査データの栄養学的読み方

また、毛髪ミネラル検査キットは、Amazonでも入手できるので、有害金属やミネラルバランスなどをチェックし、適切なサプリの摂取に役だてることができます。
毛髪ミネラル検査の読み方&アドバイス】

こうした検査結果に頼らず、あなたの身体の状態をチェック・リストにインプットすることで、あなたに必要なビタミン&ミネラル摂取量を算出することも可能です。ぜひ一度、試してみてください。
あなたに必要なビタミン&ミネラルの摂取量

あなたの身体にピッタリのビタミンおよびミネラルの摂取必要量を導きだすために必要な質問が多いですが、最後までキチンと入力してください。

すべての項目のチェックが終わったら、最後の[計算]ボタンをクリックすると、あなたが1日に必要な各ビタミン、各ミネラルの推奨摂取量が算出されます。

※あなたの症状に対する、処方箋でもありません。あくまでも参考としてご活用ください。

効果的なサプリメントを選ぶためのポイント

効果的なサプリメントを選ぶためのポイント

自分の身体にとって必要な栄養素の必要量を満たすことを考える

サプリメントを選択するにあたっては、なぜサプリメントの摂取するのか、まず、その理由を明確にしましょう。

・単純に健康維持のためなのか、

・なんらかの不調を抱えていて、その改善のためなのか、

・通院し、処方薬も服用しているけど、できれば、薬は飲みたくないのか、 

・アスリートのパーフォーマンスアップのためなのか、

など、など・・・。

摂取目的によってはもちろんですが、個人個人の体調/体質、年齢、性別、生活習慣などによって、どのような栄養素(サプリメント)を、どれくらい摂取すべきか、かわってきます。

まず、【あなたに必要なビタミン&ミネラルの摂取量】で算出された栄養素が確保できるベーシックサプリメントを探してみましょう。 

より添加物が少ない製品、吸収率なども考慮して

サプリメントに効果を期待するなら、原材料の出所、製造プロセス、第三者機関による認証の有無など、透明性の高い情報をもとに選ぶことが大切です。

また、サプリメントには思いのほか多くの合成添加物がつかわれています。粒のカサを増やすためだけの目的で増量剤をつかい、ときには粒の半分以上、なかには、9割が増量剤というようなケースさえあります。このようなサプリメントを長期間摂取していたら、健康になるどころか、健康レベルが低下するのが必至です。

不必要な添加物がふくまれていないことは、品質の高いサプリメントを選択するうえでの重要なポイントです。購入の際には、ラベルを確認することを習慣づけましょう(オンラインで購入する場合は、成分や添加物をかならず確認すること)。

サプリメントの選び方については、下記に目をとおしてください。
★覚えておきたい!ビタミン&ミネラルのサプリメント、プロテインを選ぶコツ

土台として、マルチビタミン&ミネラルを

土台として、マルチビタミン、ミネラルを

最低限、身体に必要なビタミン・ミネラルという土台がないと、どれだけ機能性に優れたスポットサプリメントを摂取したところで、あなたの体内で効果的に働いてくれません。

かといって、【あなたに必要なビタミン&ミネラルの摂取量】で算出された各ビタミンと各ミネラルを、それぞれ揃えて摂取していくのは大変ですし、なによりも不経済です。

そこで、健康レベルの向上のためのベースとして、誰でも簡単に使用できる、マルチビタミン&ミネラルサプリメントがおすすめです。栄養素不足から体調を崩している人は、これだけでも体調の著しい改善を実感できるはずです。

なんらかの疾患を抱えている人は、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントさえとれば病気が治るというわけではありません。しかし、酵素が体内でしっかり働き、代謝を改善するためにビタミン&ミネラルレベルを底上げ/下支えするには、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントが最適です。

信頼性の高いマルチビタミン&ミネラルサプリを選ぶ

とはいえ、日本のマルチビタミン&ミネラルのサプリメントは、各ビタミン&ミネラルの含有量が少なすぎます。これらサプリメントにふくまれる程度の量であれば、バランスのいい食事をしていれば確保できるので、あえてサプリメントを摂取する意味はないでしょう。

サプリメントを摂取するなら、米国の信頼できるメーカーの製品をおすすめします。Thorne Research社、Life Extension社、Solger社などの製品は、iherbで入手可能(購入金額により送料無料)で利用しやすいでしょう。

マルチビタミン&ミネラルを選ぶときには、(鉄不足がある場合を除いては)、鉄をふくまない製品を選ぶようにします。

また、ストレスフルな日々を送っている人であれば、ストレス時に消費されやすい栄養素を強化している、ストレスフォーミュラを選ぶようにするといいでしょう。

サプリメント摂取量は年齢や体重で調整

米国のサプリメントは、即効性を目指して、かなりパワフルな設計になっている製品が多いといえます。栄養素の含有量は、かならず確認するようにしましょう。

米国のサプリメントの摂取量というのは、通常、45kg以上/18歳以上を基準にしています。サプリメントによって各栄養素の含有量が異なりますし、症状によっても、どれだけの量を摂取すべきかが変わってきますが、体重が32kgから45kg(12歳~17歳)は通常摂取量の4分の3を目安に、6歳以上で32kg以下は、半分量を目安にするようにと記載されています。

また、米国のサプリメントは1粒が、日本のサプリメントに比べて、かなり大きめです。そのまま飲めるのであれば、いいのですが、ノドにつまってしまいそうで怖いなどがあれば、タブレット状のものであれば、割って飲めばOK。カプセルのものであればカプセルをあけて、粉で飲むようにするといいでしょう。

マルチビタミンは、摂取する意味がない? 

最近(2024.6)、医学誌【米医師会紀要(JAMA)】に、「マルチビタミンのサプリメントを毎日摂取しても死亡率はさがらない」という、論文が掲載されました。

それより前の研究でも、心臓病の発症率がさがらないことや、多くのマルチビタミンにふくまれている鉄のサプリメントを摂取すると鉄過剰症になりやすく、糖尿病や認知症、心臓病の発症率が高まる恐れがあることを明らかにしたものもありました。

その反面、米国臨床栄養学ジャーナルに発表されたマルチビタミンの使用と高齢者の心臓発作との関連性についての研究成果では、マルチビタミンと他のサプリメントを併用している人のリスクは30%低く、サプリを5年以上摂取している人においては、サプリをつかっていない人に比べ41%も、そのリスクが低かったとの研究もあります。

マルチビタミンを毎日摂取している男性はがんの発症率が8%低く、白内障の発症率も低い傾向があることや、マルチビタミンが高齢者の記憶力を改善することも、複数の研究からわかっています。

医学誌「人間精神薬理学」に発表された研究では、マルチビタミンは気分障害のある人にも効果があるとしています。8週間にわたってマルチビタミンを摂取した高齢男性のグループが、偽薬(プラセボ)を投与した群と比較して、抑うつ症状や不安症状が有意に減少したことが示されています。

マルチビタミン&ミネラルサプリメントといっても、すべてが同じではありませんし、その成分や栄養素の含有量は製品ごとに異なります。当然、摂取する側の個体差もありますし、摂取法によっても、体内での利用率は大きく異なります。

したがって、こうした研究結果だけに目をむけて、「効果がある」とか「効果がない」とか判断するのは、まったくナンセンスです。

重要なのは、私たちの身体を構成するすべての細胞で休みなくおこなわれている、その人独自の代謝に必要なビタミンやミネラルが随時確保できるかどうか、ということなのです。

特定の状況に応じてビタミン&ミネラルを追加

特定の状況に応じてビタミン&ミネラルを追加

マルチビタミン&ミネラル系のサプリで微量栄養素を全般的に補ったうえで、必要に応じて、ほかのサプリメントを追加します。

【あなたに必要なビタミン&ミネラルの摂取量】で、あなたに適量の摂取量を算出したのであれば、そのビタミンやミネラル量にほぼ合致する製品を探し、大幅に満たされていない微量栄養素量を補うための単独のビタミンやミネラルを追加するといいでしょう。身体に気になるトラブルなどがあれば、それらに対応するアミノ酸、脂肪酸、消化酵素などのサプリメントを加えます。

多くの人にとってマルチビタミン&ミネラルのサプリメントだけでは、あきらかに不足してしまうビタミンといえば、ビタミンCとビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)。B群のそれぞれのビタミンは、異なった働きをしますが、エネルギーづくりにおいては協力しあって働きます。合わせてとった方がいいケースが多いといます。最近では、ビタミンDの不足も指摘されています。

ミネラルとしては、マグネシウム、亜鉛、(閉経前の女性であれば) 、あたりでしょう。

お身体のどのようなトラブルであっても、その根底にはストレスがかかわっているといえるので、ストレスによって消費されやすい栄養素をプラスするのが得策です。

これら栄養素については、ビタミン・ミネラル不足を解消して身体の調子を整えようにくわしく書きましたので、ご参考に…。

体内バランス調整の担い手、脂肪酸サプリメント

体内バランス調整の担い手、脂肪酸サプリメント

ビタミンやミネラル以外のベーシックサプリメントには、脂肪酸系のサプリメントがあります。

体内のあらゆるバランス(ホメオスタシス)の微調整に必要なプロスタグランジン(局所ホルモン)をつくるために、ジホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)の3種の脂肪酸が不可欠です。

アラキドン酸はジホモγリノレン酸から合成されますし、一般の食品からも十分にとれます。したがって、サプリメントで摂取するのであれば、γリノレン酸とエイコサペンタエン酸に目をむけることです。 

魚ばなれの現代人に必須?EPA/DHA(エイコサペタエン酸/ドコサヘキサエン酸)

オメガ3脂肪酸を効率的に摂取できる方法としてEPA/DHAのサプリメントが人気です。青魚などを日々食べていれば補える栄養素ですが、魚ばなれがすすんでいる現代、多くの人が不足しているといわざるを得ないでしょう。

EPA/DHAは、心臓の健康をサポートし、炎症を抑える効果があるとされています。とくにEPAは抗炎症作用に優れ、関節の健康血液循環の改善に寄与します。一方、DHAは脳の機能を維持し、認知機能のサポートに役だつとされています。

汚染の少ない海域でとれた小魚など、原料が特定されていて、薬剤や熱をつかわずつくられたサプリメントを選びましょう。

人乳以外、供給源がほとんどないGLA(γリノレン酸)

GLAは、とくに皮膚のトラブルおよび婦人科系疾患には必須の脂肪酸です。GLAはリノール酸からつくられるので、リノール酸をとっていれば不足しないとされています。ところが、リノール酸からGLAへの転換には、さまざまな制約があり簡単ではありません。

リノール酸からの変換が難しいなら、GLAそのものをとるようにすれば確実です。ところが、GLAが豊富にふくまれる食材は、ほとんどありません。結果、深刻なGLA不足におちいっているのが現代人です。

サプリメントとしては、イブニングプリムローズオイル(月見草油)が、とくにおすすめです。

40歳以上は、(消化)酵素サプリは必須!

40歳以上は消化酵素サプリは必須

身体が産生する消化酵素は、40歳を境に急激に減るといわれます。それに伴い、消化能力は衰え、食べたものは消化されにくくなり、せっかくの栄養素も吸収されにくくなります。その結果、腸内環境が悪くなるばかりか、体内酵素の働きが衰え、免疫力は落ち、デトックスの効率も低下。さまざまな体調のトラブルが発生してきます。

ダイジェスティブエンザイム(消化酵素)サプリメントが40歳以上には必須とされるのは、このためです。慢性ストレスによっても消化吸収力の低下や腸内環境が悪化するので、ストレスを抱えやすい人は、年齢に関係なく消化酵素サプリメントが必須です。 

酵素飲料に酵素はない!?

「〇〇酵素」という商品名がつけられたサプリメントや飲料は日本の市場に数多く出まわっています。しかしこれらは、米国でいうところの「酵素サプリメント」とは、まったく別物です。

米国では、酵素サプリメントといえば、一般的に「消化酵素」を指します。しかし、日本で「消化酵素」は医薬品なので、サプリメントとしては販売できません。日本の酵素サプリメントや酵素ドリンクには、この種のサプリメントに最も必要な消化酵素の働きを期待することができないのです。

事前消化ができる酵素サプリを選択

健康のためにプラス効果のある酵素サプリメントを求めるなら、海外から個人輸入するしかありません。米国のほとんどのサプリメントメーカーが独自の酵素サプリメントを販売していますが、正しい専門知識なしに製造されているケースも多々あります。信頼度の高い酵素の専門メーカー(たとえば、Enzymedica社)のサプリメントを選択するのが安心です。

栄養素としての酵素の恩恵をうけるには、「事前消化」をしてくれるかどうかにかかっています。食べたものの消化が本格的にはじまる前に、どれだけサプリメントによる消化が進むかによって、健康レベルの改善度に差がでるからです。

米国で販売されている酵素サプリメントには、動物性、植物性、および、菌(多くの場合麹菌)由来のものがあります。それぞれに特徴があり、どれを選ぶかによって働きがまったく異なります。これらの中で、事前消化につかえるのは、植物性と麹菌由来のダイジェスティブエンザイムだけです。

ただ、植物性消化酵素(ブロメラインやパパインなど)は、タンパク質だけにしか作用しませんし、腸管や体内での活性度はあまり高くない(体温よりかなり高目の温度で活性度が最大になる)ので、事前消化のパワーは発揮できません。

麹菌由来の消化酵素であれば、pH2~11まで働いてくれるばかりか、糖質、脂質、タンパク質すべての分解をサポートするので、事前消化はもちろん、そのほか幅広い用途につかえます。
※消化酵素サプリメントの活用術は、ぜひ、酵素と酵素セラピーをご視聴ください。

サプリメントは、いつ、どう摂取するかで効果は大違い

サプリメントは薬ではなく、あくまでも「食品」なので、「いつ摂取してもかまわない」ということになっています。また、摂取量に関しても、「1日○粒を目安にお召し上がりください」というような表示しか許されていません。

たしかに健康食品系サプリメントは、いつ摂取してもかまわないのですが、栄養補助系サプリメントやハーブ系サプリメントの効果を最大限引き出そうと思ったら、摂取法や摂取タイミングは重要です。

サプリメントの基本的な摂取タイミングを頭にいれよう

まず、おおまかな摂取タイミングを頭にいれておきましょう。

ビタミン&ミネラルや脂肪酸系(EPA、γリノレン酸など)は、食事と一緒か食後。一回に多量に飲むことはせず、数回に分けて摂取。

事前消化のための消化酵素サプリメント食べる直前に、グラス1杯の白湯で。食べ過ぎてしまったときには、食後に飲んでもかまいません。

特定の身体のトラブル改善に使用する場合は、多量摂取することになりますが、食事と食事のあいだの空腹時、および、就寝前の空腹時に摂取します。

ハーブ系サプリメントは、原則、空腹時に摂取。ハーブの種類によっては、あくまでもスポット的、あるいは数週間から数か月間の使用にとどめ、長期使用は避けます。

・単体のアミノ酸やアミノ酸ブレンドは、かならず空腹時(就寝時)に、ビタミンB6を一緒に。なお、単体アミノ酸は長期間の使用を避けます。1か月使用したら、1カ月休むようにするか、プロテインあるいは、フルブレンドのアミノ酸と併用するようにします。

プロテインは食事がわりに、または、食事と一緒に。飲むと、お腹がタプンタプンになる人は胃酸が少ない、あるいは、消化酵素の分泌が少ない可能性大。フルブレンドのアミノ酸(フリーフォーム)にきりかえるか、消化酵素サプリメントを一緒に摂取するといいでしょう。
※プロテインやアミノ酸系サプリメントについては今後の記事でくわしくお話しします。

サプリメントの効果を実感できない理由と対策

サプリの効果を実感できない理由と対策

健康レベルが低下している人は、例外なく特定の栄養素が不足しています。その不足している栄養素を適切に補えば、健康レベルは、かならずアップします。

しかし、さまざまな理由でその効果を実感できない人もいます。なぜ、効果を感じられないのか、効果を実感するためにどうすればいいのか、簡単に触れておきましょう。 

あなたにとって適切なサプリメントを選択していない

SNSで人気のサプリメントや、友達から、「○○サプリ、すごい効果よ!」などと勧められ、適当にサプリメントを選んでいませんか?

美肌効果を期待してコラーゲン、ヒザの関節が痛むからとグルコサミン、骨粗鬆症予防にとカルシウム、などなど・・・。「トクホだから、機能性食品だから安心。効果がある」と勝手に思いこんでいませんか?

ほかの人に効果があったからといって、あなたに“効く”とはかぎりません。むしろ、あなたの身体にとっては、まったく意味のないサプリメントということも…。

あなた自身に不足している栄養素を把握せず、サプリメントの性質を知らぬまま、そこに何がふくまれているのか確認もせず、適当なサプリメント選びでは、あなたが期待する効果がでてくれるはずはありません。

これまでお話ししてきたことを参考に、あなたにとってのベストのサプリメントを選択してください。 

サプリメント同士の相性が悪い

サプリメント同士の相性が悪い

何種類ものサプリメントを摂取することでそれぞれの効果を相殺してしまう可能性もあります。人間関係において相性があるように、サプリメント類も数あるなかで相性のよいものとそうでないものがあるのです。

相性のよい組みあわせであれば、生体内で相互に過剰を抑制したり、あるいは、支援協力しあって働き、何倍ものパワーを発揮することもあります。逆に、相性が悪いと働きが抑制されてしまいます。

ビタミンやミネラル類にかぎらず、身体に必要な栄養素の吸収を目的とした酵素系サプリメントをとりながら、栄養素を阻害したり、「吸着して排泄」というようなサプリメントを併用すれば、お互い相反する働きをしますから、どちらもムダになってしまい、効果が発揮できないということになります。

あなたにとっての必要量がとれていない 

サプリメントを摂取していることで自己満足し、どれだけ、あなたにとって必要な栄養素がふくまれているかすら把握していない人は多くいます。「あなたに必要なビタミン・ミネラルの摂取量」を再度チェックして、ご自分が摂取しているサプリメントの各栄養素量と比較してみてください。

ビタミン類は、Dose Response といって、量を増やすことで効果がでるようになります。水溶性のビタミン類は、過剰摂取の問題は、まずありませんから、摂取量を増やしてみるといいでしょう。

とくに、ストレス時(精神的ストレス以外でも)、栄養素の消費が激しくなるため、いつも以上に多くの栄養素の補給が必要になります。

ミネラル類に関しては、適量の枠が狭いので、単にビタミンのように量をふやせばいい、というわけにはいきません。ミネラルは吸収率が重要になるので、吸収を阻害している要因がないか、吸収されやすい形のミネラルを摂取しているかなどを確認してみましょう。
ビタミンとミネラルの過剰による毒性について

サプリメントの効果を邪魔する要素がある

サプリの効果を邪魔する要素がある

あなたにとって最適なサプリメントを選択し、最適量摂取してはずなのに、効果が実感できない場合、サプリメントの効果を邪魔する何らかの要素があるはずです。

たとえば、遺伝的要因薬との相互作用のほか、高いストレスレベル吸収力の問題、腸内環境の悪さ、有害金属の蓄積、食事内容などはすべてサプリメントの効果に影響をあたえます。

★高いストレスレベル
慢性的にストレスをかかえていると、コルチゾール(ストレスホルモン)が継続的に分泌されつづけることにより、身体にさまざまな影響がでてきます。そうしたコルチゾールの影響が、直接的&間接的にサプリメントの効果を実感しにくくします。

  • 通常以上に多くの栄養素が消費されるため、補給が間に合わない。
  • 消化管の働きが抑制され、栄養素の消化吸収が阻害される。
  • 腸内環境の悪化により栄養素の吸収効率が低下。
  • 免疫機能の低下により、サプリメントの有効成分が免疫強化のサポートに消費される。
  • ホルモンバランスが崩れることにより、ビタミンやミネラルの代謝や利用が妨げられる。
  • 活性酸素の発生により、体内の細胞や組織、あるいは酵素がダメージをうける。それにより酵素活性や身体の正常な機能が妨げられ、栄養素が適切に利用されにくくなる。また、活性酸素は炎症をひきおこす要因にもなり、身体の栄養素の需要を高め、特定の栄養素の消費が早まる。

このようなことから、サプリメントの有効成分が身体に十分にとりこまれない(吸収されない)、有効利用されない、サプリメントで必要栄養素が補いきれないなどのことがおこり、期待される効果を発揮できなくなります。

適切なストレスケアを実施するとともに、消化吸収、腸内環境の改善、活性酸素対策に目をむけましょう

★有害金属
有害金属は、必須ミネラルと似た構造をもっているものがあり、腸内での吸収が競合。必須栄養素が十分に体内にとりこまれにくくなります。また、有害金属は体内の酵素に結合してその機能を阻害することもあります。これにより、代謝プロセスが正常に機能せず、サプリメントの有効成分が適切に代謝・利用されません。

さらに、有害金属は体内で活性酸素を発生させたり、腸内フローラのバランスを乱したりするため、サプリメントの効果が感じられないということになりかねません。

毛髪ミネラル検査でミネラルバランスや有害金属の排泄力を確認し、適切なデトックス策を考えましょう。

★食事の内容

サプリメントはあくまで補助的な役割を担っているにすぎません。ジャンクフードをはじめ、インスタントやレトルト食品中心の不健康な食事内容を帳消しにするためにサプリメントがあるわけではありません。

どのような場合も、健康的なバランスのとれた食事が基本です。その上でサプリメントを上手にとりいれることで、サプリメントの最大の効果が発揮され、あなたの健康レベルアップに貢献してくれるのです。あなたの食生活を再度みなおしてみましょう。

まとめ

サプリメントは、現代の食生活における栄養不足を補う有効な手段ですが、その選択と利用には注意が必要です。個々のニーズに合わせて賢くサプリメントを選び、全体の健康とバランスを目指しましょう。
サプリメント摂取において大切なポイントをまとめておきます:

  • 人によって栄養素の必要量は異なるため、あなたの身体にとって必要な栄養素と必要量を把握することが大切。サプリメントの摂取にさきがけ、まず、毛髪ミネラル検査や血液検査のデータを読み解く、あるいは、あなたに必要なビタミン・ミネラルの摂取量を算出する。
  • あなたの必要量に近いマルチビタミン&ミネラルサプリメントをベースとして摂取。
  • 身体の状況に応じて、足りない個々のビタミン、ミネラル、脂肪酸(EPA/DHA、γリノレン酸)、消化酵素サプリメントなどをプラス。
  • 最大の効果のために、それぞれのサプリメントの摂取タイミングや摂取法は大切。
  • サプリメントの効果を実感するためには、あなたにとって適切サプリメントを選択し、あなたにとっての必要量を確保することが重要。また、サプリメントの吸収/作用を邪魔している要因あれば、それをとり除くことにより、効果が実感できるようになる。
  • どのような場合も、健康的な食生活を心がけることを最優先に。

なお、なんらかの疾病/症状の改善には、特定の栄養素の多量摂取が必要になるケースがほとんどです。不十分な知識の素人考えでの対応は避けてください。栄養療法を実施しているクリニックを受診し、きちんと検査をうけ、そのうえで栄養療法にくわしい医師のアドバイスをうけましょう。

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