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GI値・GL値を意識しよう! ダイエット、ストレス耐性にも血糖コントロールは重要

血糖コントロールにGI値・GL値を意識しよう!

血糖コントロールにGI値・GL値を意識しよう!


糖尿病予防にはもちろん、ダイエットやエイジングケア、さらには、心のトラブル改善にも、血糖値の安定/血糖コントロールは、とても重要です。

血糖値の急激な上昇を防ぎ、つねに安定した血糖値を維持するには、血糖値を上げてしまうストレスの軽減をつとめるとともに、食生活においては、食べ物のGI値やGL値をうまく活用することがすすめられます。

 血糖値の上昇と直結している糖質

 身体も脳(心)も、常にいい状態に保つには、安定的なエネルギー供給が不可欠です。そのためには、安定的にグルコース(ブドウ糖)が供給されている必要があります。それには、血液中の糖(血糖)の量が急激に増えたり、逆に急に減ったりするようなことがなく、随時安定していることが望まれます。

血糖値の上昇と直接的に関係しているのは炭水化物(糖質)です。普段の食生活においてどのような炭水化物を選んで食べるかは、血糖値の安定、精神の安定、そして、ストレスレジリエンス(ストレス耐性)にとって重要課題です。

こうしたことから、血糖値を上げてしまう「糖質」をカットする、「低炭水化物ダイエット」や「糖質オフダイエット」が、巷では流行っているようです。たしかに、血糖値を急激にあげてしまう高糖質食品(砂糖の多い菓子類ほか、お餅、ごはん類、パン類、麺類など)は、痩せるためにはもちろん、健康レベルアップやエイジングケアのためにも、なるべく避けるべきです。でも、糖質は身体にとって重要な栄養素ですから、むやみにカットしすぎるのも身体にとって、決して良いことではありません。

 GI値とGL値を考慮して

何かを口にするたびに血糖値の乱高下がおきないよう、また、高血糖状態がつづかないよう、普段から炭水化物は、GI値やGL値の低い食品を選んで食べるようにするのが理想です。

GI値とは、Glycemic Index(グリセミック指数)の略で、特定の炭水化物食品がどの程度血糖値の上昇を招くかを示した値です。砂糖をはじめ、精製度の高い糖質(パン、ご飯、うどんなど)はGI値がとても高く、血糖値の急上昇を招きます。逆に血糖値に影響をあたえにくい低GI食品には、キノコ類、野菜・果物類、ナッツ類や種子などがあります。

「GI値だけでは正確性に欠ける」とのことから、ハーバード大学の公衆衛生学大学院の 研究チームによってGL値(Glycemic Load―グリセミック負荷指数)が開発されました。日本では、GL値の概念は、まだほとんど知られておらず、未だにGI値のみが使われていますが、「GI値が高くても、GL値が低いものであれば血糖値への影響は心配ない」ということで、米国では、GL値をベースに考えることがあたりまえになっています。

日本では、“ダイエット専門家”が、「ニンジンは高GI値だから、食べるのを控えましょう!」というような指導をしているケースも未だ多いようです。でもこれは、とんでもない思い違いです。ニンジンは確かに高GI値食品ですが、低GL値食品でもあります。通常量を食べたところで、まったく問題はないのです。

ここで、GI値とGL値の違いを少し詳しくみておくことにしましょう。

 GL値に目を向けよう!

「GI値」とは、炭水化物50gを含む特定の食物が、参考食物(グルコース[ブドウ糖]など)50gと比べてどれだけ血糖値をあげるかを数値化したものです(参考食物を100として、これに対しての比率)。

たとえば、ニンジン100gあたりの炭水化物量は約6gなので、50gの炭水化物というと、約830gに相当します。グルコース50gを摂取したときの血糖上昇率を100とした場合、ニンジン約830gを食べた時の血糖値上昇率は、グルコースの100と比較して 71%。従ってニンジンは、高GI値の71となります。

でも通常、1食でニンジン830gを食べることは、まずありませんよね。そこで、日常生活において現実的な数値として考案されたのが、「GL値」。これは、食物100gあたりに含まれる炭水化物量にGI値を掛けて算出したものです。

ニンジンであれば、6g x 71%(71/100)で、 GLは4になります。
830g食べれば血糖値を大幅に上げてしまう高GIのニンジンでも、1食分として100gであれば、血糖値にほとんど影響しない低GL食物である、ということです。

特定の食物1食分で20以上であれば高GLで、「避けるべき」。炭水化物の密度が高く、血糖に負荷をかけます。ふだんから、低GL(~10)や、中間GL(11~19)のものを食べることが推奨されています。

GI値だけでなく、GL値を考慮することが大切

 

  高GI値&高GL値食品と、低GI値&低GL値食品を比較

一般的にご飯や食パンなど、精製度の高い食品ほど血糖値を急激にあげる傾向にあります。甘い菓子類は、当然、控えるべき食品のトップにあげられますが、イモ類もGI値は比較的高く、とくにジャガイモは、GI値・GL値ともに高いので、注意が必要です。

ニンジンとスイカは、GI値は71、72とベーグルなみに高いものの、GL値が低いので、「問題なし」ということになります。ほとんどの野菜類や果物類は、GI値、GL値ともに低く、血糖値の安定に適した食品といえます。

主な食品のGI値とGL値を下記にリストアップしました。ただ、これらの数値は研究機関によって、プラスマイナス3~5前後の違いがあるようです。また、高GI値のものであっても、一緒に食べるものや食べ方によっても血糖値への影響はかわってきますので、これらの数値を絶対的なものとして見るのではなく、あくまでも参考として利用するようにしてください。

高GI値+高GL値食品と低GI値+低GL値食品の比較

 食べ物の問題は複雑

多くの人は、空腹時血糖値が「正常」であっても、糖質に敏感です。つまり、糖質の摂取が血糖値を急激に上げ、インスリンの多量分泌を招くということです。

・砂糖(ハチミツ他、甘味料全般)、コーンフレークス、パスタ、パン、ご飯、ジャガイモなどは、GI値・GL値がともに高いため、「好ましくない食品」です。

・豆類やほとんどの野菜類、果物類、牛乳、ヨーグルトなどは、GI値・GL値がともに低いため、「好ましい食品」となります。

興味深いのは、アイスクリームのGI値・GL値が想像以上に低いこと。これはアイスクリームに含まれる脂肪が血糖値の上昇を抑制するからです。これは、食事の問題の複雑さを強調しています。(アイスクリームは低GI食品とはいえ高カロリーで、炭水化物、脂肪が多く含まれているので、食べ過ぎにはご用心!)

 玄米や雑穀、全粒粉パンも高GI値・高GL値食品!

玄米や雑穀、全粒粉パンであっても血糖値を上げる

私たちが通常「主食」としているご飯、パン類、パスタをはじめとする麺類などは、精製度が高く、同時に、GI値・GL値が高いものばかりです。

では、精製されていないービタミンやミネラル、食物繊維などがそぎ落とされていないー玄米や雑穀、全粒粉パンなら、血糖値を上げず、安心して食べられるのでしょうか?

たしかに玄米などの穀物類は、精製度が高い白米に比べるとGI値・GL値共に低く、血糖値を上げにくいといえます。しかし、1gのデンプンが1gの糖を血液に送り込むことに変わりはありません。どのような糖質であっても、食べた糖質は遅かれ早かれ100%ブドウ糖になり、血糖を上げることになるのです。GI値・GL値が多少低いからといって、血糖値を上げないわけではありませんので、食べ過ぎには気をつけましょう。

 ジュースは、高GI値と心得よう!

ジュースは、高GI値と心得よう

ニンジンは高GI値食品ではありますが、GL値はとても低いので、通常の食事で食べることは、全く問題ありません。しかし、多量のニンジンをジュースにして飲むと、濃縮された糖が血液に流れ込み、インスリンスパイクを引き起こすことに…。(GI値の低い野菜などとブレンドすると◎)

野菜や果物は、毎日たっぷり食べるようにすることが大切です。ただ、もともと血糖値の高い人は、GI値が高めの果物などはジュースにせず、そのまま食べた方が無難でしょう。

市販のジュースなどはどうでしょうか?健康志向の高まりから、野菜ジュースやフルーツジュース、最近ではスムージーなども、多く出回っています。これらのパッケージ/ラベルを見ると、ヘルシーイメージ一色。

しかし、目をこらして、原料表示をよ~く確認してみてください。これらには砂糖や果糖ブドウ糖液糖等が使われていて、高GI値・高GL値になっているはず。こうした飲み物に手を出すことは避け、新鮮な野菜、果物を毎日しっかり食べるようにしたいですね

 「低脂肪」食品は、高GI値&高GL値!

これまで、健康的とされてきた「低脂肪食品」は、意外にも、高GI値・高GL値食品です。自分では健康的な食事をしているつもりでも、このような食品を食べつづけることで、血糖コントロールは破綻し、太ってきます。また、さまざまな健康トラブルに見舞われることにもなるでしょう。

痩せようと思っている人にとって「低脂肪」を謳った食品は魅力的に思えるでしょう。ただ問題は、「低脂肪」=「高糖質」であること。例えば、低脂肪のサラダドレッシングのラベルを確認してみてください。砂糖、果糖、ブドウ糖がテンコ盛りです!

美味しそうなパスタソースのラベルを確認すると、砂糖かコーンシロップ、ブドウ糖果糖液糖が、原料の最初のほうに来ているのでは?このような、「砂糖強化」されたソースやドレッシングを、高GI食品のパスタやパンと一緒に食べれば、どれだけ急激な、血糖値スパイクを起こすことか?!

 1日のGL値の合計を160以下に抑えよう!

米国のヘルスコンシャス層にとって、食生活においてGL値を考慮することは、あたりまえになっています。ただ、個々の食品のGL値にあまり神経質にならず、食事全体としてのGL値を考えることが重要とされます。

1日のGL値の合計が160を超えると、循環器疾患(心血管系疾患)のリスクが高まりはじめるとされます。1日の食事のGL値を、この範囲に収めるように気をつけたいものです。

 まとめ 

  •  何かを食べるたびに血糖値の乱高下がおきないよう、また、高血糖状態がつづかないよう、普段からGI値やGL値の低い炭水化物の摂取がすすめられる。

  • 米国では、GI値(Glycemic Index―グリセミック指数)よりも、GL値(Glycemic Loadーグリセミック負荷)を考慮した食生活を心掛けることが推奨されている。

  • 「健康によい」とされる玄米や雑穀、全粒粉パンなどは、精製度が高い白米に比べるとGI値は低いとはいえ、1gのデンプンが1gの糖を血液に送り込むことに変わりはない。

  • GI値・GL値がともに低い野菜類、果物であっても、ジュースにすることで、血糖値への影響は強くなる。

  • 「低脂肪」を謳っている食品には、脂肪の代わりに「糖」が多く使われ、思いのほか高GI値・高GL値食品になっている。十分に注意しよう!

  • 1日のGL値の合計が160を超えると、循環器疾患(心血管系疾患)のリスクが高まりはじめるので、糖質の摂取は、この範囲に抑えるように気をつけよう!


あなたが最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。

 

j-hna.org