水を一滴も加えず、新鮮な野菜や果物を丸ごとそのままジューシングした生ジュースを毎日飲むことにより、老化を防止し、病気になるリスクを減らし、いつまでも健康でエネルギッシュに過ごすことが可能になります。
なぜ、生ジュースがあなたの健康に貢献してくれるのか、そして、健康メリットを最大限にひきだすために、どのようなことに気をつけて作ればいいのか、生ジュース作りのガイドラインをみていきましょう。
- 酵素が働くために不可欠な生ジュース
- 生ジュースは、ジューサーで作ろう!
- 生ジュースには、オーガニックの野菜やフルーツを丸ごと使おう
- 生ジュースは、野菜やフルーツ以外、なにも加えない
- グリーンジュースは単独で飲まない
- 野菜ジュースとフルーツジュースでは役割が違う
- 生ジュースは、野菜とフルーツを混ぜない
- 生ジュースは、新鮮さが命
- 生ジュースは、いつも作りたてを
- 生ジュースも旬を大切に
- 生ジュースは自分の感性で、いろいろ試してみよう
- まとめ
酵素が働くために不可欠な生ジュース
生ジュースが、私たちの体内の「酵素」を最大限働かせるための、多くの要素を持ち合わせているからです。
私たちの体は約37.2兆個の細胞で構成されているとされ、それら一つ一つの細胞内では、さまざまな化学反応(代謝)がめまぐるしく進行、生体を維持しています。
タンパク質の合成、エネルギーの生産、不要物質の排泄、組織の修復や再生など、何千種類もの代謝が、ものすごいスピードで、休みなく行われていますが、これらの代謝のためになくてはならないのが酵素です。
すべての代謝が問題なく行われるためには、第一に体内で酵素が確実に生産されること。第二にこれら代謝酵素が体内で効率よく、十分に働ける条件を整えていくこと。さらに、なるべく消化に体内の酵素が使われないよう配慮していくことが不可欠です。生ジュースは、これらに対して大きな役割を果たしてくれるのです。
生ジュースの抗酸化栄養素が、活性酸素をやっつける
「活性酸素」は細胞膜を酸化させ、酵素を攻撃し、遺伝子までも傷つける悪者です。活性酸素の害から私たちを守ってくれる抗酸化栄養素は、生のジュースの中に豊富に含まれています。もともと天然の植物にはあらゆる抗酸化栄養素が存在しますが、人間の体内で有効に働くためにはそれなりの量が必要です。
たとえば、活性酸素除去のためにカロチンをニンジンから摂ろうとすると、一日あたり1キロ食べる必要があります。これを毎日続けられる方がどれだけいるでしょう。でもジュースにすれば、ほんのグラス2杯分。誰にだって簡単に飲める量です。
生ジュースと飲むことは、もっとも効率よく、最も簡単に、もっとも栄養密度の高いかたちで、野菜や果物に含まれる抗酸化栄養素を摂ることです。活性酸素の悪行が抑え込まれれば、酵素はキチンと作られ、しっかり働ける条件が整います。いつまでも、若く、美しく、健康でいられることになるのです。
酵素と協力して働く栄養素をしっかり確保
酵素が体内で働くには、必ず、一緒に作業を進めるビタミンやミネラルが必要です。ビタミンやミネラルが酵素のサポーター役として働くことで代謝は実現します。これらが不足すれば酵素は働けず、体内の代謝は実現できません。
体内の酵素を働かせるには、想像以上に多くのビタミン・ミネラルが必要です。体が要求する栄養素の絶対量を食事で満たすには、毎日約7kgの野菜と果物/フルーツが必要といわれます。これだけ毎日食べることは不可能。でも、生ジュースにすればカサはなくなり、栄養素だけが凝縮した液体になるので、一日必要量の大部分を満たすことが可能になります。
茹でたり、煮たりしてもカサは減ります。でも、加熱で水溶性のビタミンは最高97%、油溶性のビタミンは最高40%失われます。しかも、食物に含まれる重要な食物酵素はすべて壊されてしまいます。
生ジュースは熱を一切加えないので、栄養素の損失は最小限に抑えられます。また、野菜などを一生懸命多量に食べても、ビタミン・ミネラル類は思ったほど体内に吸収されませんが、ジュースにすれば繊維が取り除かれ、消化器官に一切の負担をかけることなく、質の高い栄養素が短い時間で効率よく吸収されます。
普段食べることなく捨ててしまう皮、茎、葉や根などの部分には、体を守るために無視できない植物成分が多く含まれますが、植物のすべてをそっくり、丸のまま使うジュースにおいては、これら成分がビタミン・ミネラルと一緒になって働き、互いの作用を強め合ってくれます。
生ジュースは、ジューサーで作ろう!
健康の鍵を握るのは体内の酵素の働きであり、それら体内の酵素をしっかり働かせるには消化酵素の摂取をはじめ、生ジュースを毎日飲むことが最もてっとり早いといえます。
生ジュースのメリットを最大限活かすためには、いくつかのルール、というかガイドラインに沿って作ったり、飲むようにするのがベスト。そして、その一番キモとなるのが、生ジュースはミキサーではなく、ジューサーで作るということ。
ミキサーはジューサーの代用にはなりません。もちろんミキサーで作ったジュースでも、市販の清涼飲料水などに比べればヘルシーです。でも、残念ながらミキサーや絞り器では果物や野菜の持つ自然のパワーを100%引き出すことはできないのです。
ミキサーとジューサーはその役割が違う
ミキサーやフードプロセッサー等は食物をドロドロ状態にしますが、材料を高速で切り刻んで液体化しているだけ。体に有効に働く栄養素は繊維から遊離されません。繊維と栄養素が分離できないので、栄養素が即体内に吸収されるような状態にはならないのです。
無駄な部分が多いため、ミキサーで作ったジュースは飲みにくく、あまりおいしくありません。そのため、水で薄めたり、砂糖を加える必要も出てきます。コレではせっかくの素材が台無しです。
新鮮な野菜や果物に含まれる貴重な栄養素を繊維から分離し、それら栄養素が体内で最も有効利用される形で抽出できるのがジューサー。この時に食物繊維(セルロース)はカスになってしまいます。しかし、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維は抽出されたジュースにたっぷり。そして、私たちの細胞にビタミン・ミネラルを与えてくれるのはセルロースから遊離されたジュースです。
品質の良いジューサーによってつくられたジュースを飲むことは、野菜やフルーツの栄養素価値をそっくり自分の体内に取り込むことなのです。
ジューサーをお持ちでない方は是非、この機会にいいジューサーを手に入れてください。繊維と栄養素をしっかり分離し、質のいい、おいしいジュースを常に提供してくれるジューサーは、2万円以上はすると思います。
しかし、これから毎日、何ヵ月も何年も頻繁に使うことを考えたら、決して高い買物ではないでしょう。しかもどんどん若返り、いつまでも若く、病気知らずの体がつくれるのです。ご自分とご家族のために、その程度の投資をぜひ考えていただきたいものです。
生ジュースには、オーガニックの野菜やフルーツを丸ごと使おう
100%無農薬の野菜や果物を手に入れるのは無理としても、なるべく農薬を使っていないもの、有機栽培のものを選び、葉は落とさず、皮もむかず、まるごとジュースとして飲むのがベスト。皮の部分にこそ貴重な栄養素が多いからです。
例えば、マスクメロンの身の部分だけを使用した場合、メロンの持つ栄養価値を5%しか得ることができませんが、皮ごと、丸ごとジュースにすれば、その栄養価値の95%を体内で有効利用することができるといいます。
最近では、農家と直接契約して無農薬・有機栽培の野菜や果物を宅配してくれるグループも多いようです。スーパーなどで購入するのに比べ、価格は2~3割高く、届けられる野菜や果物は、大きさ不揃い、形がいびつ、葉が虫食いだらけなんていうことも・・・。でも、農薬の害を回避できるなら、ベター。
市販されている野菜・フルーツを使う場合、外皮をタワシでゴシゴシよくこすり、十分に流水で洗ってから使ってください。よ~く水を切るのも忘れないで。どうしても心配であれば、皮をむく、キャベツなどの野菜は外側の葉を何枚か排除する、かぶの葉、大根の葉などは使わない等を心がけるくらいしか手はありません。
でも、すでに触れたとおり、これらの部分ほど栄養価値があるのです。皮も種も、茎も、葉も、野菜や果物をジュースにするときには、丸ごと全部使うのが基本。そのためには、ぜひ、オーガニック、無農薬・無合成肥料の材料の調達を心がけてください。
生ジュースは、野菜やフルーツ以外、なにも加えない
体へのプラスの影響力を考え、多量の材料を自然のまま使い、一滴の水も加えず、体に必要な栄養素はすべてをそのジュースから得ることを考えます。熱を加えない、砂糖や塩は加えない、牛乳を加えない、水を加えない。健康を取り戻すための生ジュースは、基本的に「加える」ことは一切しません。
なお、栄養摂取のために中心となるジュースではなく、水分補給のために飲むものは、水で割ってもかまいません。ただ、一日の必要栄養素の摂取量を満たした上で飲むようにした方がベターです。
ワンポイント
生ジュースは、口のなかで30秒程度「転がす」ようにしてから飲み込むように心がけましょう。
口のなかでジュースは体温にまで温まると同時に甘くなります。これは、唾液に含まれる消化酵素の働きですが、こうすることによって、生ジュースに含まれる各種栄養素はより早く吸収され、体にプラスに働いてくれることになります。
グリーンジュースは単独で飲まない
緑色野菜を使ってジュースを作る場合、必ず、よりクセのない、マイルドな野菜や果物と合わせます。緑色野菜だけのジュースは多くの人にとって体への作用が強すぎて、舌が痺れたり、2~3日間、軽い頭痛や、胃の不快感、異常な胃の働きを経験することがあります。
緑色野菜をジュースに使う場合、1回に飲む総量の4分の1までに控えておくのが無難。あとの大部分はニンジンとかリンゴ、またはセロリなどを使うようにします。
体が生ジュースになれてきたら、緑食野菜の比率を増やしてもかまいません。それでも全体量の半分以上は、リンゴやニンジン、セロリ、白菜などを加えるようにした方がいいでしょう。
葉野菜のような、やわらかい材料を使う場合、他の固い野菜やリンゴを最初と最後にジューサーに入れるようにします。やわらかい材料はジューサーの目づまりの原因になりやすいので、固い材料によってそれらを押し出させるわけです。
また、ニオイやクセの強い野菜をジュースした場合、リンゴを最後にすることにより、ジューサーへのニオイのこびりつきを防ぐことができます。
野菜ジュースとフルーツジュースでは役割が違う
新鮮な生の果物/フルーツや野菜から絞りだされるジュースは、私たちに多くの素晴らしいメリットを与えてくれますが、それぞれのジュースの役割は違います。
フルーツジュースは速効性のエネルギーを供給してくれると同時に、体内クリーニングを受けもってくれます。ジュースとして飲むのは、午前中を中心に、一日1~2杯程度にとどめるのが普通です。
野菜ジュースは、私たちの体がスムーズに機能し、体内で酵素がしっかり働ける状態をつくってくれます。新鮮な生の野菜ジュースには、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物酵素、さらにカロチン、ポリフェノールをはじめとする植物成分などが豊富に、しかも体内で最も活用されやすい状態で含まれます。
驚くべきスピードで、傷ついた細胞を修復したり、細胞の再生を促したりすることで、体内を細胞レベルから若返らせてくれます。野菜ジュースは、午後の時間帯に、1日3~4杯が目安です。
生ジュースは、野菜とフルーツを混ぜない
酵素栄養学では、一回の食事で何種類もの食品を組合せると、消化に動員される酵素が何種類も必要になり、消化に負担がかかると教えています。
生ジュースは通常の消化過程を通らず、ほぼストレートに血液に吸収されますので、酵素が無駄使いになるとは考えられませんが、実際に野菜とフルーツを混ぜたジュースを飲むことで、消化のトラブルが発生する可能性があるとされます。
野菜とフルーツを混ぜなければおいしいジュースが作れないわけではないし、なんらかの問題が発生する可能性が少しでもあるのなら、あえて両者を混ぜる必要もないでしょう。
ただ、リンゴとニンジンだけはどのフルーツや野菜とも相性が良く、ミックスしてもかまわないと、専門家の間での意見が一致しています。
生ジュースは、新鮮さが命
傷があろうが、古くなって萎びていようが、熟しすぎていようが、野菜でもフルーツでも、ジュースにしてしまえば、いくらでも誤魔化しがききます。一般市場に出しても売れない傷物、売れ残って鮮度が落ちてしまった野菜や果物でも、糖や香料などをプラスして加工すれば、いかにもフレッシュでヘルシーなジュースに変身します。
でも、はっきりいって、こんなもの「おいしい」と飲んだところで、何の意味もありません。
新鮮な野菜やフルーツには多くの酵素、ビタミン・ミネラル、ポリフェノールなどの貴重な成分が含まれています。
これらの成分こそ、私たちの体を守り、損傷した細胞や組織の修復を進め、それらの働きを蘇らせ、いつまでも若々しい体を維持できるように働きかけてくれるもの。これらの栄養素が、消化器官に全く負担かけることなく、ストレートに血液中に吸収されるからこそ、生ジュースに大きな価値があるのです。
酵素をはじめとする栄養素は、時間が立てばたつほど分解されたり、失われていきます。萎びた野菜、熟しすぎたフルーツにはこれらの栄養素の働きを期待することはできません。お店で新鮮な果物、野菜類を調達したら、新鮮なうちに生ジュースを作るのが賢明です。
生ジュースは、いつも作りたてを
新鮮な野菜やフルーツを一回にたくさん作っておいて、何回かに分けて飲むということは考えないでください。
作りすぎてしまって、どうしても飲みきれないというときは、こんな工夫を。
- フルーツ系だったら、冷凍庫でアイスキャンディーに・・。
- 野菜系だったら、料理に利用。ハンバーグや卵焼きに混ぜ込んだり、ピューレやソースに加えたり、料理の仕上げに・・。
職場などに持っていきたい場合
ステンレスボトル(携帯用魔法瓶)を用意し、下記の方法を...。
- 前日にステンレスボトル内部を水で流し、そのまま冷蔵庫の冷凍室にいれておくと、内側に氷の膜ができます。
- 家を出る寸前に作ったばかりの生ジュースを注ぎ口ぎりぎりまで入れ、その状態で蓋をしっかりしめます。ジュースはこぼれ出てきますので、流しの上でやるようにします。空気が残っていると、内部が暖まり、栄養価が失われることにつながります。
- 職場では、できればボトルは冷蔵庫に入れておき、飲むときには一度で飲みきってください。少しづつ飲むのは不可。
- 職場で2回は飲みたいというなら、小さいステンレスボトルを二本用意するといいでしょう。
生ジュースも旬を大切に
自然というのは素晴らしいものです。外の気温が上がり、体もそれにつれて暑く感じる季節になると、体温を自然に下げてくれる野菜やフルーツが出まわってきます。秋・冬と寒くなってくると、こんどは体をあたためるものが増えてきます。春先になると、冬の間に代謝がスローダウンして体内に溜まった毒素を排泄しやくするための、アクの強いものが出てきます。
このように、自然というのは、私たちの体のサイクルに合わせた食べ物を提供してくれています。
今は何でも一年中出まわっているのがあたり前。旬なんか完全にどこかに置き忘れられています。しかし、旬を無視した食べ方をすれば、当然体内の代謝サイクルが乱され、体調を崩すなどの問題を起こしてあたり前なのです。
また、野菜やフルーツが旬の時には、ビタミン・ミネラルの含有量が跳ねあがります。食品成分表に記されている数値より20%も上回るといいますが、特に緑黄色野菜に含まれるカロチンの含有量は25%も増えるのです。
このへんで、旬ということを見なおしてもいいのではないでしょうか。
生ジュースは自分の感性で、いろいろ試してみよう
本屋さんにいくと、実に彩り美しく、いかにもおいしそうなジュースのレシピを紹介した本が並んでいます。きれいな写真を見て楽しむのにはいいでしょうが、実際にご自分あるいは家族の健康のためにジュースを作るのには不要。これらに紹介されているものは、確かに「健康そう」ではあっても、実際には「不健康ジュース」になってしまっているものも少なくないからです。
料理であれば、材料の組合せはもちろん、それらの分量、味付け、火加減、焼き具合、煮具合など、あらゆる要素がうまく噛み合わないかぎりおいしい料理はできませんが、生ジュースは適当に作っても、結構おいしくできあがります。
「レシピどおりに作らなければ」と思わず、「何を使ってもいい」、「自分の好みで材料を増減してもいい」と、柔軟に考えてください。一つの目安量としては、一回あたり一人分として使う野菜の総分量は450g程度。これで大体、 200~250ccのジュースになります。
生ジュース作りは本当に自由気まま。ときには、想像以上においしいものができるでしょうし、二度と口にしたくない味になることもあるでしょう。でも、それも楽しみの一つ。
好きな材料を、好きに組み合わせて、配分もいろいろ試してください。毎回新しい発見があるでしょう。自分にピッタリの、「コレだ!」というジュースにも、かならず出会うはずです。
すでにお話した注意点さえ守れば、どのような材料をどのように組合せようと、体内にそれまで不足していた栄養素が行き渡り、細胞一つ一つが元気に若返っていくことには変わりありません。
消化に負担かけないようになる分、体にエネルギーが満ちあふれてくるはずです。ご自分の想像力を生かし、いろいろ試し、そして、何よりも、ジュース作りを楽しんでほしいと思います。
まとめ
- 生ジュースには、体内で酵素が働くために必要なビタミンやミネラル、植物成分がたっぷりふくまれている。
- 生ジュースは、皮、葉や根なども丸ごとそっくり使用するため、なるべく無農薬・無化学肥料の野菜やフルーツを選択。何も加えず、ジューサーで作る。
- キャベツや緑色野菜をする場合、これらは1/4程度におさえ、かならずニンジン、リンゴ、セロリなどとミックスする。
- 生ジュースを作るときには、原則として野菜とフルーツは混ぜない。リンゴとニンジンだけは、何とミックスしてもOK。
- 生ジュースは、旬の新鮮な野菜やフルーツを使い、作ったらすぐに飲む。外出先で飲みたい場合は、ステンレスボトルを活用。
- 午前中はフルーツジュース中心に、午後は野菜ジュースを。
あなたが最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。