毎日、何気なく口にしている、砂糖。これがあなたの行動や精神面に影響を与え、ストレスや体調不良にも関与しているなんて考えたことありますか?
甘~い誘惑はあなたを太らせるだけではなく、ストレスを増幅させているといっても、過言ではないのです!
脳は、砂糖で癒される?
ストレスを感じたとき、精神的に落ち込んだとき、あるいは不安、心配事、寂しさなどを紛らわせるため、あなたは甘い物が欲しくなりませんか?
スリムボディのために最も避けるべきと分かっているのに、つい口に運んでしまう。あたかも、そう仕向けられているかのように…。
マイナスの感情が優勢になると、脳内のセロトニンやβエンドルフィン(幸せな気分にしてくれる快楽物質)レベルは低下します。すると脳は、「何か食べろ!」と命令をだします。
セロトニンレベルを急上昇させ、脳の要求を満たすにはブドウ糖が不可欠。だからほとんどの人は、無意識に甘い物を選びます。
甘い物を食べると心が落ち着き、癒されます。でも、作用はあくまでも一時的。イライラしたり、ちょっと疲れると、結局またすぐ甘い物がほしくなり、さらに甘い物依存に陥っていきます。
体調不良で悩んでいるなら、まず砂糖を全面的カット
健康な人であれば適度の砂糖摂取は問題になりません。しかし、精神的なストレスをかかえていたり、不眠、体のだるさ、慢性疲労や頭痛、うつ症状ほか、なんらかの体調不良で悩んでいるなら、まず砂糖を全面的にカットしなければなりません。
体内でブドウ糖をエネルギーにかえるには、多くの酵素とともにビタミンB群が大量に必要です。
砂糖にはそうした栄養素がふくまれていないため、体のあちこちからかき集めてこなければなりません。つまり、ビタミンB群をはじめとする大切な栄養素が急速に消耗されるのです。
ビタミンB群は、神経系や精神状態を良好に保つのには不可欠です。不足すれば、疲れやすくなり、うつ病や不眠、集中力の低下、記憶力の減退、いらだちや不安などの症状が表面化してきます。
ストレスを癒そうと甘い物を食べれば食べるほど、精神安定に必須の栄養素が消耗されていき、さらに、ストレス反応によって生じる活性酸素を抑え込むために必要な栄養素までが消費されてしまいます。
ストレスが慢性的になると、体は対応しきれず、活性酸素による体内破壊活動がはじまります。甘い物で癒されると思っているうちに、精神的にも肉体的にもズタズタに…。
砂糖をとりすぎている現代人
砂糖の大きな問題の一つは、気づかないうちに食べ過ぎていること。現代の消費者は、人生の早い時期から砂糖づけになっていきます。
乳児用流動食、ベビーフードの類の多くは砂糖で甘みがつけられていますし、朝食シリアルを食べれば、その50%は砂糖!ケチャプには、アイスクリームよりも8%弱も多く砂糖が含まれているとも!
まさか砂糖が含まれているなんて思えないような食品にも、多量の砂糖が含まれていることがあります。
たとえば、固形コンソメ。主原料が塩で、その次に多く使われているのが麦芽糖&砂糖です。
缶詰の野菜や野菜ジュースなどにも使われています。健康にいいはずの、飲むヨーグルトや乳酸菌飲料(240mlあたり)には、スティックシュガー9本~15本分(1本約3g)近くの砂糖が含まれています。
砂糖づけ特有の症状が、若い世代中心に増えているのもうなずけます。
砂糖のとりすぎで起こる低血糖が怒りやイライラの原因に
栄養療法を実践している心療内科の溝口先生は、引きこもりや家庭内暴力、統合失調症、パニック症候群から鬱症状まで、栄養素の不足とともに、「低血糖」が根底にあると指摘します。
砂糖を食べると血糖値が一挙に高くなります。体は膵臓からインスリンを分泌して血液中のブドウ糖を細胞に取り込みますが、血糖値の上昇が急激だと、体は対応過剰でインスリンを出しすぎ、逆に血糖値を下げすぎてしまうのです。
ブドウ糖は脳と神経系の燃料ですから、脳の要求を満たせないくらいまで血糖値が下がると、頭と脊柱における代謝が低下。全身の機能がうまく果たせなくなってしまいます。
怒りっぽくなったり、行動が驚異になったり、頭痛、脱力感、手の震え、怒りやイライラが暴力行為に及ぶこともありますが、本人は低血糖とは思いもしないでしょう。
現代医学でも低血糖と結びつけることはなく、症状を抑えるだけの薬剤だけが処方されることに…。
甘い物が食べたくなったら?
このストレスに満ちた社会にあって、甘い物への嗜好を捨てることができれば、かなりストレスを軽減できるのは確かです。とはいえ、「甘い物をやめるとよけいストレスになって過食に走ってしまう」という人も多いはず。
じつは、高タンパク食を中心にした栄養素たっぷりの食生活を実践し、身体が満たされると、過剰な甘い物への欲求は起こりにくくなってきます。
とはいえ、いつも完璧な食事は難しい、という場合には、甘い物が食べたくなったら、チーズを食べたり、ナッツをつまんだりすれば、甘い物への要求は30分程度で断ち切れます。脳内のセロトニン(幸福ホルモンとも呼ばれる)が低下していると甘い物を欲するのですが、このセロトニンの原料はトリプトファンというアミノ酸(タンパク質の構成成分)。トリプトファンが多いタンパク質を食べることで、脳の暴走が落ちつきます。
でも、どうしても甘い物にこだわるなら、タンパク質が多く含まれたエナジーバーなどを活用するのも一手です。
普段の食生活では、高タンパク食を心がけるとともに、ビタミンB群、亜鉛、クロム、マンガン、マグネシムなどを確保することが大切です。
ストレスを感じたときには、ビタミンCをはじめフィト栄養素など各種抗酸化栄養素を通常の2~3倍量とって、細胞を活性酸素から守りましょう。
まとめ
- ストレスを感じると甘い物に手が伸びるのは脳の要求を満たすためであり、食べると一時的に満たされるが、またすぐに甘いものが欲しくなる。
- 体内でブドウ糖をエネルギーにかえるには、多くの酵素とともにビタミンB群が大量に必要だが、ビタミンB群は精神安定に必要な栄養素である。
- 甘いものを食べるほどビタミンB群やそのほかの栄養素を消耗し、甘い物で癒されると思っているうちに、精神的にも肉体的にもダメージを受ける。
- 砂糖は意外な食品にも多く含まれていることがあり、気づかないうちに食べ過ぎていることに注意をしなくてはならない。
- 砂糖のとりすぎで起こる低血糖が、怒りっぽさや頭痛、脱力感などのラブルのの原因になることがある。
- 高タンパク食を中心にした栄養素たっぷりの食生活を実践し、身体が満たされると、過剰な甘い物への欲求は起こりにくくなってくる。
あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーで、ありますように・・。