ホリスティック栄養学とストレスケア

ストレス栄養学ベースの健康管理&セルフケア情報満載!

目の疲れ・ドライアイ・飛蚊症の改善に効果的なセルフケアと栄養素&サプリメント活用法

目は、私たちが世界を認識するための「窓」であり、膨大な情報を脳へと送りつづける重要な器官です。そのため、目の健康は生活の質に直結し、視力の低下や不調は日常生活に大きな影響をおよぼします。

現代社会では、デジタルデバイスの普及や紫外線・ブルーライトの影響で、目への負担が増加しています。

本記事では、目の構造と働きから、目に起こりやすいトラブルとその原因、効果的な対処法、生活習慣、セルフケア、そして栄養療法まで幅広く紹介します。快適な視界を維持し、目の健康寿命を延ばすために、今日からできることを一緒に学んでいきましょう。

目の基本構造と働き

人体のなかでも、とくに複雑な器官の一つである目は、私たちに瞬時に周囲の視覚情報を提供してくれます。

私たちの目は、カメラのような構造をしていて、外からの光をとりこみ、それを脳へ伝えて、「見る」という感覚をつくりだしています。目の健康を守るには、まず目の仕組みを理解し、それぞれの部位がどのような働きをしているのかを知ることが必要でしょう。

目の基本構造と働き

目の表面には角膜があり、ここを通った光は水晶体で屈折し、ピントをあわせながら目の奥にある網膜へととどきます。カメラでいえば、角膜と水晶体が「レンズ」、網膜が「フィルム」に相当する部分です。

網膜には黄斑部という、とくに視力にかかわる重要なエリアがあり、ここでうけとった光の情報は視神経をつうじて脳に送られ、私たちは「見えている」と感じます。

ピント調節をするのは、毛様体筋という小さな筋肉。遠くを見るときには水晶体を薄くし、近くを見るときには厚くすることで、焦点をあわせます。でも、長時間のスマホやパソコン作業などで近くを見つづけていると、この毛様体筋が緊張しっぱなしになり、眼精疲労の原因となります。

また、目の内部は硝子体というゼリー状の組織で満たされています。硝子体は目の形を保ち、光をスムーズに網膜へ届ける役割をもっていますが、加齢などによって変化し、飛蚊症の原因になることもあります。

このように、目にはさまざまな構造があり、それぞれが複雑に連携して私たちの視力を支えています。しかし、紫外線やブルーライト、デジタル機器の過度な使用などの影響をうけやすい部分も多いため、日常のケアがとても重要です。

目におこりやすい一般的なトラブル

目に起こりやすい一般的なトラブル

私たちの目は、日々、さまざまな負担にさらされています。誰しも一度は、目の疲れ、充血、乾燥、刺激、かゆみ、光に対する過敏、涙目など、なんらかの目の不調を経験したことがあるでしょう。

とくに、現代のライフスタイルでは、デジタル機器の使用、紫外線、生活習慣の乱れなどが目の健康に大きく影響をあたえます。長時間のパソコン作業やスマホの使用は、眼精疲労や視界のぼやけ、ドライアイ、光に対する過敏症、二重視、残像現象などのリスクを高めます。また、紫外線の影響をうけやすい環境での生活や、不規則な睡眠、ストレスの蓄積も目のトラブルをひきおこす原因となります。

外的要因だけでなく、食生活の乱れも目の健康に深くかかわっています。とくに、栄養素の偏りや、化学物質や保存料を多くふくむ加工食品の摂取がつづくと、目の機能が低下し、長期的に視力の衰えにつながることになります。

◆代表的な目のトラブル
以下は、日常的におこりやすい目のトラブルの一例です。

  • 眼精疲労 (長時間の目の酷使による疲れ)
  • ドライアイ (涙の分泌不足や質の低下による乾燥)
  • 目の乾燥以外の不快感 (ゴロゴロ感や異物感)
  • 目の充血・炎症 (結膜炎・アレルギー性眼疾患)
  • 眼瞼痙攣 (まぶたがピクピクと痙攣する状態)
  • 飛蚊症 (視界に浮遊物が見える)
  • 光過敏症 (まぶしさを異常に感じる)
  • ピント調節機能の低下(調節疲労・老眼)
  • 視力低下(近視・遠視・乱視の進行)

これらのトラブルは多くの人が経験するものですが、「目」という一器官の問題だけとはかぎりません。根底に身体の健康問題が隠されていることもあるのです。

たとえば、視力低下や目の不調は、糖尿病、高血圧、甲状腺の異常、肝臓の問題などの症状としてあらわれることがあります。そのため、目の違和感や不調を軽視せず、身体全体の健康管理を意識することが重要です。

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本記事では、すべての目のトラブルについて触れることはできませんが、現代人を悩ませる代表的な問題として、「ドライアイ」と「飛蚊症」 をとりあげます。その後、目のトラブル/疾患全般について、主な要因や予防策、生活習慣の改善、栄養素の摂取方法などについてくわしく解説していきます。

多くの現代人を悩ます「ドライアイ」とは?

多くの現代人を悩ます「ドライアイ」とは?

ドライアイとは、目の表面が乾燥する状態をさし、多くは日常生活の習慣が影響しています。主な症状には、目のかゆみ、異物感、コンタクトレンズの張りつきなどがあり、眼精疲労の大きな原因にもなります。眼精疲労となると、充血、痛みなどの症状に加え、頭痛や肩こりなど全身の不調につながっていきます。

なぜ目が乾燥するの?

私たちの目の表面は常に涙で潤っています。しかし、この涙の分泌が減少すると、目の細胞に必要な栄養素や酸素が十分に供給されず、視界のかすみや乾燥感が生じやすくなります。

さらに、涙の保護が不十分になると角膜や結膜が傷つきやすくなり、乾燥によるかゆみが悪化。目をこすることで炎症をひきおこし、ドライアイの症状が進行します。

ドライアイは、主に次の4つのメカニズムのいずれかに異常が生じることで発生します。

ドライアイをひきおこす主な要因

1. 涙の分泌不足
涙腺でつくられる涙の量がもともと少ない場合、目の表面が適切に潤わず乾燥しやすくなります。この根底には、ビタミンA不足やストレスがあります。

2. まばたきの減少
まばたきは通常、1分間に約20回。しかし、コンピューター作業中は約7回にまで激減。これにより涙の分布が不十分となり、目が乾燥しやすくなります。

3. 涙の蒸発
オフィスの空調やOA機器の使用により、室内の空気は乾燥しがちです。とくにディスプレイの位置が高いと、視線が上向きになり、目の露出面積が広がることで涙の蒸発が促進されます。

4. 涙の排出過多
涙は、余分な分泌物とともに涙点をつうじて排出されますが、涙点が大きいと必要以上に排出され、角膜の異物除去機能が低下します。その結果、異物が残り、さらなる乾燥をひきおこします。

ドライアイは単なる目の乾燥に思えますが、そのまま放置すると眼精疲労や視力低下、慢性的な不調につながることも…。日常生活のなかで涙の分泌をサポートし、目の健康を維持するための対策(後述)を心がけることが大切です。

若者にも増えている? 「飛蚊症」

 

若者にも増えている飛蚊症

飛蚊症(ひぶんしょう)は、視界に小さな黒い点や糸くずのようなものが浮かんで見える状態をさします。とくに青空や白い壁を見たときに気づきやすく、まばたきをしても消えず、目を動かすと一緒に移動するのが特徴です。

飛蚊症の主な原因

多くの場合、加齢による生理的な現象ですが、スマホやパソコンの長時間使用、ストレスや不規則な生活習慣が影響しているため、飛蚊症は若い世代にも増えています。また、近視の人にも発生しやすい症状です。

飛蚊症の多くは、硝子体(しょうしたい) とよばれる眼球の内部を満たすゼリー状の組織が加齢とともに変化し、小さな濁りが生じることによって発生します。この生理的飛蚊症は、とくに問題はないのですが、網膜剥離(もうまくはくり)や硝子体出血などの重大な疾患が隠れているケースもあるので、急に症状が悪化したり、視界の一部が暗くなったりした場合は、眼科を受診しましょう。

飛蚊症の改善にパイナップル酵素(ブロメライン)が効果的?

近年、パイナップルにふくまれる「ブロメライン」というタンパク質分解酵素が、飛蚊症の改善によいといわれています。ブロメラインには、抗炎症作用や血流促進作用があるため、硝子体内の老廃物の代謝が促進され、飛蚊症の症状が軽減されるのであろうと考えられています。

「ブロメライン」は、サプリメントとして海外のサイトで購入可能ですが、使用する場合には、かならず空腹時に摂取すること。また、効果を期待するには、かなりの多量摂取が必要です。通常のサプリメントの感覚で摂取しても、残念ながら効果は期待できません。

飛蚊症と上手につきあう

飛蚊症は、日常生活に支障がなければ心配しすぎる必要はありませんが、うっとうしいですよね。このあとのセクションでお話しする「目の健康のための生活習慣&セルフケア」を実践するとともに、「目の健康のための栄養素」を確保することで、症状の改善が期待できます。

また、重金属の体内蓄積が目の健康に悪影響をおよぼす可能性が一部の研究で示唆されています。デトックスをうながす食事やライフスタイルの改善も役だつでしょう。

目に影響をあたえる主な要因

目の健康は、紫外線、ブルーライト、生活習慣、栄養不足、ストレスなど、さまざまな要因に左右されます。これらの要因が蓄積すると、眼精疲労や視力低下、ドライアイなどの問題をひきおこし、長期的には白内障や加齢黄斑変性などの深刻な疾患のリスクも高まります。

ここで、目に悪影響をあたえる主な外部・内部要因について整理しておきましょう。

紫外線の影響

目のトラブルー紫外線の影響

国立環境研究所の発表によると、オゾン層の破壊を防ぐための国際協力が進み、最近は、オゾンの減少に歯止めがかかっているようですが、減ってしまったオゾンが戻りつつあるわけではありません。オゾン層には、太陽の光にふくまれる有害な紫外線を遮断する働きがあります。そのオゾン層の破壊が進んだことで紫外線のB波(UV-B)の量が増加。その結果、皮膚がんや白内障が急増したといわれます。

紫外線は皮膚だけでなく、目にも深刻なダメージをあたえます。とくに長期的に浴びつづけることで、水晶体が濁る白内障や、網膜の黄斑部がダメージをうける加齢黄斑変性(AMD)のリスクが高まることが知られています。また、強い日差しのしたで長時間過ごすと、角膜が炎症をおこし、「紫外線角膜炎」になることも…。

ブルーライトの影響

目の健康ーブルーライトの影響

パソコンが企業だけでなく家庭に本格的に普及しはじめた1990年代後半から、目の疲れ、ドライアイ、視力低下などなど、目のトラブルを訴える人が急激に増えてきました。

原因は、パソコン、タブレットやスマホ、電子書籍リーダーなどのディスプレイからでるブルーライト。液晶モニターをつかっている薄型テレビ、LED照明、スマートウォッチなどからも発光されています。

ブルーライトは波長が短く、エネルギーが強いため、網膜に直接届いて酸化ストレスをひきおこしやすいことが知られています。ブルーライトは、ドライアイや眼精疲労の原因となり、目のかすみ、ピント調節機能の低下をひきおこし、視力低下につながる可能性があります。ブルーライトは網膜にダメージをあたえやすく、長期的には加齢黄斑変性のリスクを高めるともいわれます。

このブルーライトは太陽光にもふくまれる光です。寝る寸前までテレビをみていたり、パソコン作業やスマホの使用をつづけていると、メラトニン分泌が抑制され、体内時計(リズム)が乱れることで、睡眠の質が低下します。

目の健康を左右する要因は、紫外線やブルーライトなどの外部環境だけでなく、生活習慣や栄養状態、ストレスといった内部要因も深くかかわっています。

ストレスの影響

ストレスは、全身に影響をおよぼしますが、目に対する影響も見逃せません。

「ストレス」とは精神的なものだけでなく、紫外線やブルーライト、睡眠不足、栄養不足など、身体に負荷をあたえるすべての要因をさします。これらの刺激はストレス応答を生じさせ、目の健康にもさらなる悪影響をあたえます。

慢性的なストレスは交感神経を過剰に働かせ、副交感神経とのバランスをくずします。その結果、血流が悪化し、眼精疲労だけでなく、視力の低下の原因にもなります。交感神経が優位な状態がつづくと、ピント調節を担う毛様体筋が緊張しっぱなしになり、かすみ目やボヤケが生じます。また、交感神経は涙の分泌を抑制するので、ドライアイの悪化をまねくこともあります。

さらに、ストレスは、体内の活性酸素を増やします。活性酸素は細胞を傷つけ、白内障や加齢黄斑変性(AMD)のリスクを高めるとされます。とくに、紫外線やブルーライトとくみあわさると、目の酸化ストレスが加速し、加齢による目の衰えが進みやすくなります。

ストレスは交感神経を刺激するだけでなく、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進します。これが慢性的につづくと、眼圧(目の内部の圧力)が上昇し、視神経へのダメージが進行。緑内障のリスクが増します。

また、慢性ストレスは免疫力を低下させるため、結膜炎や角膜炎、ものもらいなどの目の感染症や炎症にかかりやすくなります。目のかゆみや充血が長びいたり、角膜のダメージが治りにくくなることもあります。

適切なストレスケアは、目の健康のためにも大切なのです!

生活習慣の影響

目の健康-生活習慣の影響

目の健康は、日常の生活習慣によって大きく影響をうけます。喫煙や飲酒習慣、睡眠不足や運動不足、長時間の画面作業は目に負担をかける要因となります。睡眠が不足すると、目の疲労が回復しにくくなり、血流の低下により視力低下をひきおこすことがあります。

睡眠不足は身体にとって大きなストレスですから、そのストレスによる目への影響もあわせて考えなければなりません。また、運動不足は全身の血流を悪化させ、網膜や水晶体への酸素供給が低下することにつながります。

栄養素不足の影響

目は、視細胞や角膜細胞をはじめとする多様な細胞が連携して働く高度な器官です。これらの細胞が適切に機能するためには十分な栄養素が不可欠であり、不足すれば各細胞が正常に働くことができなくなり、さまざまなトラブル/疾患をひきおこすことになります。

目に必要な栄養素が不足すると、たとえば下記のようなことがおこってきます。

  • ビタミンAやカルテノイド不足 ⇒ 夜盲症、ドライアイ、加齢黄斑性のリスク増加
  • ビタミンB群の不足 ⇒ 眼精疲労が進行しやすくなり、視力低下の原因に
  • ビタミンCやEなどの抗酸化栄養素の不足 ⇒ 加齢黄斑変性や白内障のリスクが高まる
  • オメガ3脂肪酸不足 ⇒ ドライアイの悪化

たった1種類のビタミンが不足するだけでも、目の不調をまねくことがあります。逆に、目の損傷をひきおこす活性酸素の形成をおさえる抗酸化栄養素をしっかり確保することで、目の健康を維持し、トラブルのリスク回避も可能なのです。
※栄養素関連について、くわしくは、第8章~第11章を参照

目の健康を守る生活習慣での対策

目を酷使しないためのルール

デジタルデバイスを長時間使用すると、ピント調節をおこなう毛様体筋が疲れ、眼精疲労の原因になります。この負担を軽減するために、「20-20-20ルール」を意識しましょう。

「20-20-20ルール」というの20分ごとに20秒間、約6メートル(20フィート)先を見るというシンプルな習慣。目の筋肉をリラックスさせ、疲労を軽減できます。また、意識的にまばたきを増やし、乾燥を防ぐことも大切です。

適切な照明環境の整備

目の健康を守るには、適切な明るさの照明を使用することが重要です。暗い部屋でスマホやパソコンを使用すると、瞳孔が大きく開き、光の刺激が直接目にはいるため、眼精疲労や視力低下をひきおこしやすくなります。

また、明るすぎる照明も目に負担をかけるため、画面の明るさを周囲の環境にあわせて調整しましょう。とくに夜間はブルーライトを多くふくむ白色LEDよりも、暖色系の照明を使うと、目に優しく、睡眠の質も向上します。

紫外線対策の徹底

紫外線は、皮膚だけでなく 目にも悪影響をおよぼし、白内障や加齢黄斑変性(AMD)のリスクを高めることは、前述のとおり。とくに強い日差しは、紫外線が角膜や水晶体にダメージをあたえるため、紫外線対策を意識することが重要です。

日本で目に影響をあたえる紫外線がもっとも強い時期は、4月~8月。屋外に出る際は、UVカットサングラス、帽子や日傘の併用で、紫外線の直接的な影響を軽減しましょう。目を乾燥させないことも大切です。

紫外線は曇りの日や冬場でも降りそそぐため、年間をつうじた対策が必要です。とくに、雪の多い地域は、雪の反射で目を傷めるリスクがあるので、ご注意を。
怖いぞ、紫外線の害!UV&活性酸素対策で老化を防ごう!

睡眠の質を向上させる

 睡眠は目の疲労回復に欠かせない時間です。ブルーライトはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を抑制し、睡眠の質を低下させるので、寝る1時間前にはデジタルデバイスの使用をひかえ、リラックスした環境を整えることが理想的です。また、十分な睡眠(6~8時間)を確保することで、目の疲労回復がスムーズになり、翌日のパフォーマンス向上にもつながります。
⇒  睡眠の質を上げるための習慣、睡眠環境、食べ物/飲み物&ストレスケア

ストレスケアをつねに意識する

目の健康を守るには、ストレスを適切に管理することも大切です。ストレスは睡眠にも大きな影響をあたえますから、何はともあれ、ストレス軽減を優先させなければなりません。

ストレスケアの基本は、まず、ストレスになっている原因をつきとめ、その排除をこころみること。そのうえで、「思考(リフレーミング、ジャーナリング、瞑想など)」、「行動(軽い運動、深呼吸、入浴、睡眠ほか、リラクセーション法)」、「栄養」の三方向からのアプローチを!

※ストレス解消には、下記の記事をチェック!
ストレス軽減に効果的な呼吸法、入浴法、森林浴ほか、リラクセーション 
ストレスって何?ストレス対策におすすめの栄養素と日課
運動でストレス解消!身体と心・メンタルに効果的な運動の種類、適切な強度や継続時間

目の健康を維持するためのセルフケア

目の健康を維持するためのセルフケア

食生活をふくむ生活習慣をみなおし、ストレスケアを心がけるとともに、日常的に簡単なセルフケアをとりいれることで、目の疲労を軽減し、健康な視力を維持することが可能です。

目のストレッチとマッサージ

長時間のパソコン作業やスマホの使用で、目のピント調節を担う毛様体筋が緊張し、眼精疲労をひきおこします。この負担を軽減するために、目のストレッチやマッサージをとりいれましょう。

◆目のストレッチ

  • 目を閉じてゆっくりと大きくまわす(右回り・左回りをそれぞれ5回ずつ)。
  • 近くのものと、遠くのものを交互に見て、ピント調節機能を鍛える
  • 目をギュッと閉じてからパッと開く動作を3回くりかえす。

目のマッサージ

  • 目のまわりのツボ、眉毛の下など自分が気持ちよく感じるポイントを指で軽くおし、血流をうながす。
  • こめかみを優しく円を描くようにマッサージする。

これらのケアをおこなうことで、目の血流が改善し、疲労回復が早まります。

目を温める、ホットアイマスクの活用

目を温める、ホットアイマスクの活用

長時間のデジタル作業や目の酷使による疲れ(目の筋肉疲労・ドライアイ)には、目を温めるのが効果的です。目のまわりの血流が促進され、涙腺の働きの改善、マイボーム腺のつまり解消、自律神経の調整などにより、結果的に涙の分泌量が増え、目の調子がよくなります。

また、目を温めることでリラックス効果が得られ、自律神経のうち副交感神経が優位になります。緊張した筋肉もほぐれます。

◆簡単なホットアイマスクのつくりかた
1.清潔なタオルをお湯(約40℃)で湿らせ、軽くしぼる。
2.目を閉じた状態でタオルをまぶたの上にのせ、約5~10分温める。
3.使用後は冷たいタオルで軽く冷やし、血流を整える。

市販の使いすてホットアイマスクも便利ですが、電子レンジで温めるタイプや、自作の温熱タオルを活用すると経済的です。

目を冷やしたほうがいいケースも

目の筋肉疲労やドライアイには温めるのが効果的ですが、炎症や充血がある場合、温めるのは、NG。目が充血している、まぶたが腫れている、アレルギー反応(花粉症など)がある場合は、温めると炎症が悪化することがあります。

冷やすことで血管が収縮し、腫れやかゆみ、充血がおさえられるので、目の炎症がある場合は、冷やしましょう。

コンタクトレンズ・メガネを正しく使用

コンタクトレンズ、メガネを正しく使用

視力矯正のためにコンタクトレンズやメガネを使用する場合、目の健康を守る大切なポイントがあります。

◆コンタクトレンズ使用の注意点

  • 長時間の装着は避け、1日の装着時間を適度に調整する(8~10時間以内が目安)。
  • 定期的に目薬で潤いを補給し、ドライアイを防ぐ。
  • 使いすてレンズは、決して使いまわしはせず、衛生管理を徹底。

◆メガネ使用の注意点

  • ブルーライトカットレンズを活用し、デジタルデバイスによる疲れを軽減。
  • 自分の視力にあったメガネを定期的につくりなおす。
  • メガネのレンズをこまめに清掃し、視界をクリアに保つ。

視力は変化します。視力が変わっているのに、そのままあわないレンズを使いつづけると、目の負担が増し、疲労や視力低下につながります。定期的な視力チェックも心がけるように・・。

目薬を必要に応じて使用―選びかたと使用時の注意点

目薬は、ドライアイや眼精疲労を軽減するサポートとして役だちます。ただし、適切な種類を選び、正しく使用することが大切です。

目薬の選びかた

目薬の選び方

目薬は、文字通り、「クスリ」です。市販の目薬を選ぶ際は、症状にあった成分がふくまれているか、防腐剤の有無、使いやすさなどを考慮し、自分に適した製品を選ぶことが大切です。

ドライアイ対策 防腐剤無添加の人工涙液タイプを選ぶ(例:ヒアルロン酸ナトリウム配合)。

眼精疲労対策ビタミンB12・ネオスチグミン配合のものが効果的。

充血対策 ⇒ 血管収縮剤入りのものは使いすぎると逆効果です(頻繁に充血するなら医師に相談を)。また、ドライアイの人は充血用の目薬は使わないように。

花粉症・アレルギー対策 抗ヒスタミン成分入りの目薬が有効。

どのような対策用でも、目への負担をおさえるため、防腐剤をつかっていない目薬を選ぶようにしたいものです。とくに、コンタクトレンズを使用している場合、防腐剤がレンズに付着に目に悪影響をあたえますので、かならず、防腐剤を使っていないものを選択してください。

防腐剤無添加の目薬は、何回か分の少量のボトル、または、1回使いきりの個包装になっているものがほとんどです。防腐剤無添加かは外箱に表記してあり、それ以外は、すべて防腐剤入りと考えていいでしょう。

なお、症状がつづく場合や悪化する場合は、自己判断での使用を避け、眼科専門医に相談しましょう。

目薬を使用する際の注意点

  • 1回に 1~2滴 で十分(多くさしても目から溢れてしまう)。
  • 清潔な手で使用し、容器の先端がまぶたやまつ毛に触れないようにする。
  • 付属の袋にいれ、常温保存を。目薬を買うと、箱のなかに入っているビニール製のカバーは、遮光の目的でついている場合も多いので、捨てずに利用を。
  • 長期使用を避ける(とくに血管収縮剤入りの目薬は依存性があるため注意)。
  • 開封後1か月(防腐剤無添加であれば、1~2週間)を過ぎた目薬は基本的に使わない。

開封してから時間がたった目薬は、①細菌・カビの繁殖リスク、②成分の劣化、③pHの変化による刺激などから、目の炎症などをひきおこすリスクが高いといえます。いつ開封したかわからない目薬は、「もったいない」と思わず、処分を!

「目薬の使用はじめに、開封日を容器に記載する」、「こまめに買いかえる」、「防腐剤無添加の目薬は、とくに注意する」 などを習慣づけると安心ですね!

なお、目薬を頻繁に使わざるを得ない場合、目の疲れや乾燥の根本的な原因から見直し、改善をはかりましょう!

日々の生活習慣&セルフケアの積みかさねが、将来の目の健康を守るカギになります。

目の健康のための栄養素と食事

目の健康のための栄養素と食事

目の健康を維持するには、日々の生活習慣とともに適切な栄養素の摂取が不可欠です。視覚機能をささえる栄養素が不足すると、目の疲れや視力低下だけでなく、白内障や黄斑変性症などのリスクが高まることがわかっています。

これまでみてきたように、現代のライフスタイルは、目に負担をかける要因が多々あります。とくに、加工食品の多い食生活では、目の健康を支えるビタミンやミネラル、抗酸化栄養素が不足します。食事内容やストレスによって多くの栄養素が消費されてしまうこともあります。日々の食事から意識的に目に必要な栄養素を確保することを心がけましょう。

目の健康に重要な栄養素

目も細胞のかたまりですから、各細胞が正常に働くために多くの栄養素が必要になります。

まずは、タンパク質。目は、65%が水分で、35%がタンパク質です(全身でもっともタンパク質比率が高い)。角膜や水晶体、網膜の細胞はタンパク質からつくられており、視覚機能を支えるロドプシン(視覚色素)もタンパク質由来です。目の組織を構成し、修復するためにも、タンパク質はベースとなる重要な栄養素です

タンパク質とともに、とくに目の健康を支える栄養素としては、ビタミンA+カロテノイド、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、セレン、亜鉛、オメガ3脂肪酸などがあります。これらの栄養素は、目の細胞を保護し、視覚機能を維持するために重要な働きをしています。

なお、これらの栄養素は単独で作用するのではなく、互いに補いあいながら機能しています。すべての栄養素をきちんと確保できる食生活を考えることが大切です。それが難しい場合には、サプリメントをうまく活用することを考えましょう。

目のどのようなトラブルでも、まずビタミンAの確保を

目のどのようなトラブルでも、まずビタミンAの確保を

ビタミンAの基本情報

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、視力の維持、免疫機能、生殖、さらには心臓や肺、腎臓の働きをたすける重要な栄養素です。

「ビタミンAが不足すると夜盲症になる」と聞いたことがあるかもしれません。これは、ビタミンAが網膜の視細胞にあるロドプシン(光を感知する色素)の材料となるためです。光があたるとロドプシンが分解され、その信号が脳に伝わります。しかし、ビタミンAが不足するとロドプシンの再生が遅れ、暗闇での視力低下(夜盲症)をひきおこします。

またビタミンAは涙腺の機能を正常に保ち、涙の分泌を促すことでドライアイを予防 します。さらに、角膜や結膜の健康を維持し、感染症や炎症を防ぐほか、抗酸化作用によって白内障や加齢黄斑変性のリスクを低減する働きもあります

ビタミンAには、動物性食品にふくまれる「レチニルエステル」と、植物性食品にふくまれる「プロビタミンA(βカロテンなど)」の2種類があります。
レチニルエステルは腸内でレチノール(非活性型)に変換され、必要に応じて活性型のレチナールやレチノイン酸に変わります。プロビタミンAも、必要に応じてレチノールへと変換され、ビタミンAとして機能します。

さらに、プロビタミンAは単なるビタミンAの前駆体ではなく、目を紫外線やブルーライトのダメージから守る抗酸化作用をもつ点でも注目されています。 とくに、ルテインやゼアキサンチンなどのカロテノイドは網膜の黄斑部に存在し、視細胞を保護する重要な役割を果たしています。

カロテノイドの仲間たち

カロテノイドは、植物や一部の微生物がつくりだす抗酸化作用をもつ脂溶性化合物で、およそ600種類が確認されています。人間の体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。

カロテノイドは、「カロテン系(橙色~赤色)」と「キサントフィル系(黄色~橙色)」に分類されます。

  • カロテン系: βカロテン、αカロテン、リコピンなど
  • キサントフィル系: ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンなど

とくに、ルテイン・ゼアキサンチン・アスタキサンチンは、目の健康維持に深くかかわります。

網膜・黄斑部を守る、ルテインとゼアキサンチン

網膜・黄斑部を守る、ルテインとゼアキサンチン

ルテインは黄斑部全体に、ゼアキサンチンは、その中心部に高濃度で存在し、水晶体や網膜を光ダメージから守ってくれます。これらは、抗酸化作用が強く、紫外線やブルーライトによる酸化ストレスやAGEs(終末糖化産物)を軽減し、水晶体の濁りを防ぐことで、加齢黄斑変性や白内障のリスク低減に働きます。

米国で45歳以上の女性35,000人以上を対象とした研究では、ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンEの摂取量が多い人は、10年後の白内障発症リスクが低かったという結果が報告されています。

◆ルテイン・ゼアキサンチンをふくむ食品
・ルテインが豊富⇒ほうれん草、ケール、ブロッコリー
・ゼアキサンチンが豊富⇒トウモロコシ、パプリカ、オレンジ

目のピント調整機能をサポート、アスタキサンチン

アスタキサンチンは、ルテインやゼアキサンチンとは異なるメカニズムで眼精疲労を軽減し、ピント調節機能をサポートします。

・網膜や毛様体筋や眼底の血流を改善し、目の疲労回復をたすける。

・抗酸化力がとくに強く、ルテインの約100倍、ビタミンEの約1000倍ともいわれる。

・紫外線やブルーライトによるダメージから網膜を保護する。

◆アスタキサンチンをふくむ食品
サケ(とくに紅鮭)、イクラ、エビ・カニ、マス

カロテノイドは水に溶けにくく、油と一緒に食べることで吸収率が向上します。ほうれん草やケールなどを生で食べる場合は、オリーブオイルをかけると効果的です。

目の健康に必須のほかの栄養素

どのような目のトラブル/疾患でも、改善のためにはタンパク質とビタミンA+カルテノイドがベースになりますが、そのほかにも多くの栄養素が必要になります。

ビタミンC

ビタミンCは、目の正常な代謝に不可欠です。水晶体には高濃度のビタミンCがふくまれていて、その濃度は血液中の、なんと30~50倍!それだけ目にとってビタミンCが必要ということです。

ビタミンCには抗酸化作用ほか、多くの働きがありますが、目においては、光化学酸化から水晶体を保護する重要な役割をもち、白内障や加齢黄斑変性の予防に役だちます。また、水晶体内への栄養素やイオン(ミネラル/電解質)の輸送を調節する繊細な膜に栄養素を供給。ビタミンCは目の健康維持において、多方面で重要な役割を担っています。
なお、ビタミンCを1日2000㎎以上摂取する場合は、ビタミンEを一緒にとるようにします。

ビタミンB群

ビタミンB群は視神経の働きをたすけ、目の疲れや炎症をおさえ、眼精疲労の軽減やドライアイの予防に役だちます。

B群には、B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、葉酸、ビオチンの8種類があり、それぞれが目の健康維持に重要な役割を果たしています。

たとえば、水晶体をフリーラジカルや酸化ストレスから守るグルタチオンの合成には、ビタミンB6が必須です。B6が不足するとグルタチオンレベルが低下し、白内障のリスクが高まります。

ビタミンB群のどれか1つが不足しても、眼精疲労や視力低下につながるため、Bビタミンは、B群として総合的に確保することが大切です。

セレンとビタミンE

セレンとビタミンEは強力な抗酸化作用をもち、目の酸化ストレスを軽減し、白内障や加齢黄斑変性のリスクを低減してくれます。ビタミンEは脂質の酸化を防ぎ、網膜や視神経の健康を守ってくれますし、セレンはグルタチオンペルオキシダーゼを活性化し、ビタミンEと相乗効果を発揮します。

亜鉛

亜鉛は、ビタミンAの吸収・代謝・活性化に必要なミネラルで、視覚機能の維持に重要な役割をはたします。また、目の血管構造にかかわる脈絡網膜複合体の酵素機能に関与していることから、視力低下を抑制してくれることが期待されます。

強力な抗酸化力をもつ、アントシアニン

強力な抗酸化力を持つ、アントシアニン

ブルーベリー(ビルベリー)は、一時期、目の健康サプリメントとし大変注目されていました。その理由は、5種類のアントシアニンをふくむほか、ビタミンA、βカロテン、ビタミンC、Eなど、抗酸化作用のある栄養素が豊富だからです。

とくに、アントシアニンは、網膜の光受容細胞(ロドプシン)の再合成をたすけ、視覚機能をサポートすると考えられ、夜間視力の維持や眼精疲労の軽減に役だつとされています。

ここでとりあげた栄養素以外にも、目のトラブル/疾患によっては、グルタチオン、カリウム、マグネシウム、アセチルL-カルニチン(NAC)、そのほかの栄養素をプラスして補うべきケースもあります。

目のトラブルの栄養療法 (サプリメント摂取)

目のトラブルがある場合は、栄養素を豊富にふくむバランスのよい食事を心がけることが基本ですが、適切なビタミンやミネラルなどのサプリメントを活用することで改善が可能になります。

栄養素の補給によって進行を遅らせたり、改善を期待できる目のトラブル/疾患には、眼精疲労、ドライアイ、飛蚊症、ものもらい、充血、結膜炎、白内障、緑内障、黄斑変性、乱視、眼瞼炎、光過敏症、色盲、暗点などがあげられます。

必要な栄養素や推奨摂取量は、目のトラブル/疾患によって異なりますが、ここでは、ほとんどの目のトラブルに共通する必須栄養素とその推奨摂取量(45kg以上の成人の場合)を紹介します。
(参考: 『Prescription for Nutritional Healing』 Phyllis A. Balch, CNC著)

目の健康をサポートする主要な栄養素と推奨摂取量

アミノ酸 & グルタチオン
・フリーフォームアミノ酸 (目の組織修復をサポート)
・グルタチオン500mg(空腹時に摂取)

マルチビタミン&ミネラル(すべてのビタミン・ミネラルが必要)
・セレン 200mcg/日(※妊娠中は40mcg以下に制限)

ビタミンA (パルミテート [非活性型])
・25,000 IU/日(2週間) → 15,000 IU(1か月) → 10,000 IU(維持) 
・妊娠中は10,000 IUを超えないこと
・活性型ビタミンAはNG  

複合カロテノイド (ルテイン・ゼアキサンチンなど)
・摂取量はラベルの指示に従う

ビタミンC (L-アスコルビン酸カルシウム)+バイオフラボノイド
6,000 mg/日を数回に分けて摂取(※1回1,000mg以上は吸収率低下)
・緑内障の場合、30g以上必要になるケースも

ビタミンB群
・主なB群を100mg/回 × 1日2回
・B群の含有量は製品ごとに異なるため、要確認

ビタミンE(d-αトコフェロール)
・200~400 IU/日

亜鉛(ピコリネート)
・50mg/日(※すべてのサプリメントからの総摂取量が100mgを超えないよう注意)

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目の健康維持や視機能の改善に特化した単独のサプリメントとして、MacuGuard は、おすすめの一つです。  

栄養療法では、通常の何倍・何十倍もの栄養素を摂取することがあるため、どのようなサプリメントプログラムであっても、開始前に主治医や栄養療法にくわしい医師に相談することをおすすめします。

まとめ

目は私たちの生活に欠かせない大切な器官ですが、現代のライフスタイルは目に大きな負担をかけています。長時間のデジタル機器の使用、紫外線やブルーライトの影響、不規則な生活習慣、栄養不足などが、眼精疲労やドライアイ、視力低下をひきおこす主な要因です。

目の健康を守るためには、単に「目を使いすぎないようにする」だけでなく、全身の健康を意識し、トータルなアプローチが大切です。

🔹 生活習慣の改善
・スマホやパソコンの使用時間を管理し、適度な休憩をとる
・睡眠の質を向上させ、目をしっかり休ませる
・適度な運動をとりいれ、血流を促進する

🔹 必要な栄養素を確保
・タンパク質をはじめ、ビタミンA、ルテイン、ゼアキサンチン、オメガ3脂肪酸など、目に必要な栄養素を意識的に摂取
・抗酸化作用のある食品を摂取し、酸化ストレスから目を守る

🔹 適切なセルフケアの実践
・目を酷使した後は温めたり、適度に休ませる
・乾燥を防ぎ、目の負担を減らす環境を整える
・必要に応じて目薬を活用する

🔹目のトラブル/疾患改善の栄養療法
・サプリメントを活用して、適切な栄養素を補給
・必要に応じて専門家のアドバイスをうける

目の健康は、日々の小さな積みかさねで維持できます。
目を大切にすることは、人生の質を高めることにもつながります。「少し疲れただけ」と放置せず、今日からできることを少しずつとりいれ、健康な目を長く維持していきましょう。

あなたが、最高の健康を手にいれ、いつもハッピーでいられますように (^^♪

 

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